〈薔薇を拒む〉近藤史恵

孤島ものという設定だけでも、ちょっとグッと来るものがあって(笑)、即図書館予約をとりました。
この著者の作品は、フランス料理店ものとか、自転車ロードレースものしか読んだことないのですが、どうやらデビュー作も孤島ものということで、原点回帰ってところでしょうか?

両親が交通事故でなくなり、施設で育った博人は、あるとき、無償で大学に通わせてもらえる仕事を得る。
その仕事とは、3年間、陸の孤島と呼ばれる屋敷に行って、そこで下働きをすること。
博人はそこへと向かう途中、同じく自分と同じ条件で働く、容姿が整った樋野と出逢う。
屋敷には使用人や、家庭教師と共に、この屋敷の主でもある三林康雅の妻である琴子、血のつながっていない、容姿端麗の娘、小夜がいた。
過去の秘密という悪意の連鎖は、博人をも巻き込むことになる。。。

「真実はつねに、だれかの傷と繋がっている。もし、触られて痛む傷を持たない者ならば、それを暴くこともできるかもしれない」
まずは小説中に出てくる言葉ですが、凄くいい言葉だな、と思いました。
前半はこういった思わせぶりな言葉で(笑)、ぐいぐいと読ませるので、先が読めない展開にワクワクします。
ページをめくるごとに怪しいことが出てくるので、いったい犯人は誰?というスリルを味わいました。
ただ、さすがに、ラストはその緊迫が緩んでしまって、あんなに風呂敷を広げたのに、これかいっ、みたいなものもなきにしもあらず。
せっかくのワクワク設定なので、もうちょっと意外性を狙って欲しかったような。。。
ラストのラストも、双子とか兄弟じゃないんだから、声でわかるでしょう、普通、って感じで、ちと現実味がないし。。。
でも、ま、この展開はなかなか好きなので、ここまで謎を引っ張ってくれてありがとうって感じですか(笑)

講談社 2010年5月発行 ★★★☆


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コメントの投稿

Secre

No title

謎の連打と過去の濁流を次々に打ち出しておいて、最後にどかーん!
と言った完成度は、やっぱりめったに出せない。と言ったところでしょうか。

それにしても見るからに怪しい島の設定ですね。

No title

ラストまで決まるのはめったにないと思うので、そこにたどり着く過程がよければ、しめたものでしょう(笑) これは島じゃないけれど、陸の孤島もなかなか読むものをワクワクさせる設定です。

No title

なかなか力作のようですね。それにタイトルがとてもいい。
デビュー作も、かなり凝った設定で途中までは確かに面白かったです(笑)
横浜は、人口が多いから、予約人数が多くて大変です。落ち着いたら読んでみたいと思います。

No title

読んでいる過程はとっても面白いので、読んでも損はないと思います。解決もそれなりのものなので。。。というか普通なので、憤慨とかはないんですが、途中までいい雰囲気だったので、欲を言えば、それに見合ったラストが欲しかったです。

No title

風呂敷を広げすぎると上手く畳めなくて…ってパターンは多いですよね(^_^;)
タイトルといい容姿端麗な登場人物といい妖しい雰囲気は良さげです。

No title

風呂敷を広げてそれがうまく収拾できたら、それはすごい傑作になるんですが、そううまくいかないもんです。でも、ま、ここまで楽しめれば、いいとしなくてはと思います。

No title

陸の孤島と呼ばれる屋敷って、ちょっと怖そうですね。そこで出会う人たちとの人間模様でしょうか。いやもっと深い?機会があったら読んでみたいです☆

No title

人里はなれた場所っていうのは、ちょっとどころかかなり怖そうです。私なんかは、周りは住宅地だし、買い物便利だしで、ちょっと住めませんね~

No title

20世紀少年なんかに通じるモノがあるのかな?謎を引っ張るだけ引っ張って、ラストがショボイのは・・・。

No title

20世紀少年は途中から、行き当たりばったりというのが、読者にもわかってしまって、大丈夫か~とか何度も思いました(笑) これはなんとかラストみたいなものにはなっています。

No title

都内はかなり簡単に予約が取れました。
私は最後の結末案外好きでしたよ。彼女の方も実は知っていながら騙された振りをしているのかななんて深読みしました(*^_^*)

No title

ラストは、ちょっと予想外でしたね。
でもなんだか、凝りすぎの感じもあって、私は、んんんてな感じでした。
全体的には好きな世界だったので、良しと思っていますが。

No title

内緒さん。おおっ、図書館が似会う希薄なお子さんをお持ちですか。
それはまさに理想的ですね(笑)
活発なお子様よりもそういった憂いのあるお子様の方が、何かと感受性が鋭いと思いますしね。
似ているからこそ、感情移入しやすく、面白く読めるのかもしれないですね。
いや、こちらこそ、わざわざご訪問にコメントありがとうございます。
プロフィール

藤中

Author:藤中
好きな作家は、
F・ポール・ウィルスン。
他にスティーヴン・キング、ブレイク・クラウチ、ジョージ・R・R・マーティン、伊坂幸太郎、近藤史恵、島田荘司などをよく読んでいます。
たまに映画関連、海外ドラマ関連、KinKi Kids関連の投稿があるので、
気をつけてください。

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