〈祭りの夜、川の向こう〉吉来駿作

著者は「キタイ」でホラーサスペンス大賞を受賞したらしい。
「キタイ」というのはグイン・サーガに出てくるあやしげな都市の名前と同じで、当時、気になっていたけれど、進んで読んでみようとは思わなかった(笑)
この本は図書館の新着でタイトルに惹かれ、しかも誰も予約していないので読んでみることとなりました。

寝たきりの祖父が痴呆で凶暴の一途を辿り、寺島家はみな疲れ果てていた。
高校生の航太も例に洩れず、いつしか祖父の死を願うようになる。
一方、航太の同級生の、きらりは母親の妊娠を機に、義父からストーカー行為をされ、悩まされていた。
きらりは、そのうち義父に襲われるといい、そのまえに義父を殺してくれと航太に頼む。
それぞれの死を願う、ふたり。
やがてそのことが、惨劇を引き起こす。

新人さんの割にはなかなか読みやすくて、ホラーをこよなく愛しているな、というのが伝わってくる作品です。
ホラー映画での幽霊はなぜ洋服を着ているのか──服は肉体と共に朽ちはてるので、絶対に幽霊にならないので、幽霊が服を着ているのはおかしい、という突っ込みに、たしかにとか思ってしまいました。
あと、物語のなかで、その土地では盆踊りの日に、たまに死者が生き返って踊っているというところで、それなら死んだ犬も踊っているのかという突っ込みには爆笑。
あと、女性の幽霊は、Tバックの裸にも、にんまりです(笑)
真面目なホラー?なんですけれど、ところどころにお笑い要素が入っていて、やけになごみます(笑)
ホラーな仕掛けをお笑いに変える著者のセンスは案外、好きかも。
残念ながら6月発売なのに私の後ろには誰も予約が並んでいません。
だけどそのうちガツンと面白いことをやってくれて、ブレイクしそうな気もします。
でも、この路線を書いているかぎりはダメかもしれないけれど。。。(笑)

幻冬舎 2010年6月発行 ★★★☆


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Secre

No title

幽霊になるには、いろいろ面倒な手続きが要るとか、すごいエネルギーを使うから出てくる以上のことができないとか。いろんな解説があったりしますが、もしかして服を着て出てくるのも高等技術なのかもしれないですね。

No title

みんながみんな出てこられない訳がありましたか。。。(笑) この小説では他に幽霊が呪い殺せるのは無理説を展開していて、呪い殺せたら殺人者はみんな死んでると書いてありました(笑) たぶん服は自分で縫うんでしょうね(笑)

No title

幽霊ってなにか強い想いとか具現化したんだと思うと、服もありかなあ?だって自分を想像して、裸の自分を想像しないと思う
ホラーって目立つには難しいジャンルかな

No title

この方の場合は、ホラー+お笑い路線だから(私は好きなんだけれど(笑))、一般受けする場合は、何かしら強烈なインパクトがないと難しいかも。。。幽霊って頭に三角布のイメージですからね~(笑)

No title

いきなり幽霊が裸で現れても反応に困るなーと思う白月です(笑)
別に死んだ犬が踊っているのはいいと思いますけど。面白くて。←ぇ

『幽霊は生前の姿を自分で再現する』
こともあるって話もありますし、服着てもいいんでは?(笑)

ホラーでギャグ入りって珍しいですよね(笑)楽しそうですが。

No title

服着ているのもいいんですけれど、死んだ人間に限ってよく考えると、服を着ているのはおかしいかなと思ってしまいました。裸だろうが服着てだろうが、幽霊が出てくるのは勘弁して欲しいですけれど。。。(笑)

No title

「恐怖と笑いは似ている」とか言いますから、その辺を狙ってるのかもしれませんね~

No title

ああ、なるほど。。。その辺、狙いですか(笑) でもこの小説はそれがいい方に表われて、ちょっといい感じでした。つぎの新刊あたりも狙ってみます。

No title

夏の暑い日はホラーでひんやりしたいですwww

No title

暑い日のホラーは天然のクーラーですからエコにもなりますしね~(笑)

No title

図書館の新着で誰も予約していない???それはラッキーでしたね☆
ホラーは苦手ですが、たまには読んでみます^^

No title

いま見たら、誰か物好きが借りてました。。。
ホラーが苦手な人もこの本は案外、イケるかも。
プロフィール

藤中

Author:藤中
好きな作家は、
F・ポール・ウィルスン。
他にスティーヴン・キング、ブレイク・クラウチ、ジョージ・R・R・マーティン、伊坂幸太郎、近藤史恵、島田荘司などをよく読んでいます。
たまに映画関連、海外ドラマ関連、KinKi Kids関連の投稿があるので、
気をつけてください。

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