〈魔法使いの弟子たち〉井上夢人

著者9年ぶりの新作だそうで、そういえば最近みあたらなかったかな、と(笑)
今回も著者お得意のジャンルの枠にとらわれない作品ということで、タイトルが示すように何やら只事ではない感じの展開でした。

山梨県にある竜王大学医学部付属病院で院内感染が発生した翌日、仲屋京介は取材のために現地を訪れる。
けれども病院は封鎖され立ち入り禁止となっており、物々しい雰囲気だった。
どうやら病院関係者と患者の450人が隔離されているようだ。
しかも今時点ですでに8人が死亡しているらしい。
京介は、隔離された婚約者に逢いにきた落合めぐみと共に病院内に入ろうと画策するが、めぐみの顔に発疹ができているのを見て、感染の疑いを抱く。
めぐみは昨日、病院で婚約者に逢っているというのだ。
京介とめぐみはただちに病院内に隔離され、案の定ふたりとも翌日発症、十日間の意識不明に陥る。
この新たな新興感染症の名前は〈竜脳炎〉と名づけられ、京介、めぐみ、めぐみの婚約者の木幡と、90歳代の老人、興津ら4人を残して、すべて死亡。
だが、木幡は意識不明で寝たきりのまま、その他の3人は目覚めたはいいが不思議な能力が身についていた──

3人の不思議な能力が発端となり、奇妙な方向へと話がいく展開なんですが、説得力があるのか、500ページ超の厚い本ですけれど、のっけっから、ぐいぐいとよませるので、あっという間に読み終わってしまいました。
ただ、途中の展開、その能力をテレビで披露するという展開が、ちょっとまどろっこしかったかも。
その後の展開は、いったいどうなってしまうんだ、との一気読みといった感じだったのでよけいそう思いました。
で、どんでん返しにつぐ、どんでん返しの驚愕のラストは、予測不可能でした。
まさか、すべてが**の××だったとは!
ラストを読んで、ちょっただけ脱力したけれど。。。(笑)
でも、この小説を読んでみて、車で空を飛んであちこち行けたらいいなとか、そんなことを思ってしまいました。
でも実際、こういった能力を持ったら、それはそれで大変だろうけれど。

講談社 2010年4月発行 ★★★☆


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Secre

No title

三人を超能力者にするために450人が死亡。
誰が仕込んだのかしらないが、はた迷惑なウイルスまたは新薬ですね。

狭き門を潜り抜けた人が、常に善い人でありますように。

No title

藤中さんのレビューだけ読むと、私の好きそうな感じ。
ただ最後の脱力感が気になりますね
車で空は楽しいでしょうね

No title

イカダさん。わざとしたのではないのだろうけれど、実験動物からのウィルス汚染は、はた迷惑なものを生み出したようです。能力を持ってしまった3人は、その能力ゆえに敵視されて、という展開です。しかし困った能力もあったものです。

No title

タヌキさん。最後、物語的には違反のような気もしたので、そこのところがなんとなく脱力しました(笑) でも全体的には先の読めない、なかなか面白い出来でした。というか、サクサク読めてしまうので、けっこう難しい話だけれど敷居が高くなかったです。

No title

科学的に魔法使い登場ですか?
読みたい本リストにあったのに、忘れてました(笑)
一気読みできる本ってなかなかないですよね。

No title

科学的に魔法使いと言うことで、やはり書庫をファンタジーじゃなくてSFにしておきました。タイトルは微妙ですけれど(笑)内容は面白かったです。何よりも読みやすいのがいいです。

No title

9年ぶり、オルファクトグラム以来なのかな?
好きな作家なのに最近全然読んでません。温存癖かな(笑)
この作品も間違いなさそうですが「脱力の驚愕のラスト」が気になりますね~

No title

いま調べてみたら、「クリスマスの4人」以来のようです。さすがに9年かけただけあって、普通でない凝った展開です。ただ、やはりラストが読む人によって意見が分かれるのかな、と。このラストもある意味、アリですが、途中までが面白いだけに、もっと違うラストでも良かったかなと私個人としては思いました。

No title

読みました。確かに一気読みでしたよ。
ぐいぐい読ませますね~~
とはいえ、私もラストは気に入りませんでしたね。
タイトルの弟子ってどういう意味だったのでしょうね?

No title

弟子って、たしかに何だったんでしょう? 魔法使いというのは何となくわかりますけれど。。。ラストの着地点が決まると、本当にこの本は傑作なんですけれど、でも、面白かったから、あのラストでもしかたないかとは思います(笑)

No title

掟破りのような結末でしたが
それなりに楽しめました。

No title

ラストがちょっと賛否両論に分かれそうですけれど、面白いからそれも気にならないって感じですね。
プロフィール

藤中

Author:藤中
好きな作家は、
F・ポール・ウィルスン。
他にスティーヴン・キング、ブレイク・クラウチ、ジョージ・R・R・マーティン、伊坂幸太郎、近藤史恵、島田荘司などをよく読んでいます。
たまに映画関連、海外ドラマ関連、KinKi Kids関連の投稿があるので、
気をつけてください。

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