〈蝦蟇倉市事件2〉秋月涼介他

年間15件もの不可能犯罪が起きる蝦蟇倉市を舞台に、70年代作家が描くアンソロジー第2弾。
架空の街をでっちあげて(でもこれってぜったい鎌倉市が下地ですよね~)、それぞれの作家が自分なりに描くということで、それぞれ自分の持ち味を生かしているといった感じです(あっと、読んだことのない作家もいるのでたぶん、ですが(笑))

【さくら炎上】北山猛那
クラスで唯一の友の陽子。だがあるときその彼女が殺人を犯す場面をみてしまった。だがとっさに取った行動は、友が捕まらないように死体を隠すことだった。。。
女同士の友情が犯罪の動機だけれど、こんなことで殺される方はちょっと可哀想な気も。。。

【毒入りローストビーフ事件】桜坂洋
骨皮山にある有名ローストビーフ店で起きた死亡事故とは。。。?
推理はいいから、1時間も被害者を放って置いとかないで、早く救急車か警察に通報した方がいいという感じです(笑)

【密室の本─真智博士 五十番目の事件】村崎友
古書マニアの蔵書から盗まれた本を持つ男が、アパートの一室で殺されていた。
押し入れは蔵書でいっぱいだったはずなのに何もない。
本はどこへ、そして男はなぜ殺されたのか?
蝦蟇倉市民はつねに真智博士の本に載りたいと考えているのかも??

【観客席からの眺め】越谷オサム
誰からも好かれていた男性教諭が猟奇的な方法で殺された。
遺体に複数の毛髪がまかれていて、犯人を特定できるようなものは何もなかった。。。
けっこう嫌な状況で、女性にとっては読みたくない感じだし、後味も悪い。

【消えた左腕事件】秋月涼介
蝦蟇倉の森美術館で起きた殺人事件の被害者は左腕が斬りとられていた。
だが盗んだ絵画と左腕を持っていた人物は隠しカメラには写っていなかった。。。
傾向的には【密室の本~】と似ているかも。
片腕消失はなるほどという感じだけれど、ちょっとフェアじゃないような気もする。
【密室の本~】に引き続き、真智博士は案外、犯人を捕まえられていない事件も多々ありそうな。。。(笑)

【ナイフを失われた思い出の中に】米澤穂信
〈さよなら妖精〉の登場人物、太刀洗真智がルポライターとしてある、姉の子供を殺したとされる弟の真相を掘り下げる。
姉が犯人と思いきや、けっこう唐突な犯人。
でも改めて読み直したら、ちゃんとそういった伏線が敷かれてあった。。。

1、2を読んでみて、やはり蝦蟇倉市事件の発端的な作品を書いた道尾秀介と、伊坂幸太郎の作品が面白かったし、いちばん印象に残ったような気がします。
で、この企画、これでもうおしまいといった感じでしょうか?

東京創元社 2010年2月発行 ★★★



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Secre

No title

街に囚われてしまった方たちが多かったのは、残念でした。
でもせっかくできた街ですから、 3も出して欲しいですよね。

No title

なかなか力作ぞろいみたいですね。
共作と言うより競作な感じでしょうか。

ほったらかしの被害者囲んでみんなで推理中。ある意味事件本体より怖いかも。

No title

めにいさん。今度は1960年代生まれの作家で書いてほしいですけれど、この年代になると、自分の作品で忙しくてけっこう乗ってくれないのかも。。。舞台設定が面白いので、もっといろいろな事件が書けそうですが。

No title

イカダさん。蝦蟇倉市の不可能犯罪課に属する真智博士は、3人の作家が描いているので共作って感じもしますね。ほったらかしをした作家はどちらかというとSF畑の人のようですから、現実よりも推理のほうに走ってしまったみたいですね。

No title

サスペンスものって意外な結末がありますよね

No title

意外な結末だと面白いですよね。ただこのアンソロジーの半数以上の作品は想定内でしたが。
プロフィール

藤中

Author:藤中
好きな作家は、
F・ポール・ウィルスン。
他にスティーヴン・キング、ブレイク・クラウチ、ジョージ・R・R・マーティン、伊坂幸太郎、近藤史恵、島田荘司などをよく読んでいます。
たまに映画関連、海外ドラマ関連、KinKi Kids関連の投稿があるので、
気をつけてください。

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