〈南の子供が夜いくところ〉恒川光太郎

〈夜市〉で日本ホラー小説大賞受賞して以来、地味ながらも1年に一度の割合で執筆している独特の世界は、なかなか私の好きな世界で、短篇集といっても、連作なので内容はまるで長篇のような味わい。
ヤフーブログにもこっそりいらっしゃるようですし。。。(笑)
こういった世界が書ける人は貴重なので、これからもマイペースで頑張ってほしいものです。

南の子供が夜いくところ
紫?撫樹の島
十字路のピンクの廟
雲の眠る海
蛸漁師
まどろみのティユルさん
夜の果実園

湘南の海岸に停めてある、移動店舗である水色のワーゲンバス。
タカシと両親は、おねえさんが切り盛りしているその店で、夕食をとっていた。
じつは両親はこれからあることをしようとしていたのだ。
だが、今年で120歳と称するおねえさんに見透かされて、タカシは両親と離され、ひとり南の島トロンバス島につれていかれる。。。

読みだしてから、ちょっといつもの日本的な雰囲気と違って、ワールドワイド?な感じだったので、戸惑いました。
無理やり不思議な感じを演出したみたいな、そんなノリも見受けられて、最初はちょっとついていけなかったんですが、後半あたりからグッと面白くなってきて〈まどろみのティユルさん〉に至っては、奇想天外な話ながら、うかつにも感動してしまいました。
トロンバス島をめぐっての、新旧おりまぜての連作の話は、やはり不思議な感じの話が多くて、でも、それが普通に違和感なく話に織り込まれるのは、見事というしかないかも。
そういえば、著者はいま沖縄住まいをしているんでしたっけ?
トロンバス島でのいろいろな話もまた、東京出身の著者が描いた沖縄観みたいなものが根本にあるのかもしれません。
そんな沖縄観が爆発したような作品たちは、いつもながら独自の世界と不思議に満ちていて、なかなか面白かったです。

角川書店 2010年2月発行 ★★★☆


南の子供が夜いくところ
読了日:04月16日 著者:恒川光太郎

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コメントの投稿

Secre

No title

うかつ、ってせっかく感動できたなら、素直に感動しましょうよ面白そうですね
夜市は怖かったです

No title

読みましたね、さすが素早い!!
私もかなり早くに予約したけれど、後17人待ちだわ。
記事を読んで、ますます楽しみになりましたよ。

No title

なんだろう。子供を道連れに一家心中?

命を助けられて幸せか、一人ぼっちで不幸か。でも少なくとも120歳でおねえさんなら、タカシの成長を待って・・・・も可能なのかも。

子供が夜行くのは・・・・トイレ?

No title

タヌキさん。土から生えてきた人間という、かなり奇想天外な話だったので、まさか感動できるとは思わなかったので。。。(笑) 夜市は、日本的な怖さでしたね。

No title

めにいさん。今回の作品、かなり作風が変わった感じでしたが(ちょっと落としどころがなかった感じで)、話が進むにつれ、だんだん面白くなってきました。私は最初予約をとったときは3番目だったので早かったです。

No title

イカダさん。なんと、大当たりです(笑) 借金背負った一家に、おねえさんが逃げ先を用意して、両親ともに思いとどまったようですが。。。子供が夜いくところは、この話のキモですね。トイレではなく、ちょっと不思議系なところです。。。

No title

まあぼちぼちと書いているということは、大賞とって消えるパターンじゃないんだね。

No title

大賞とって消えてしまう人はそれまでの実力ってことでしょうね。

No title

読みましたよ。確かに最初は作風が変わった?と思いましたが、やはり・・・でしたね。
しばし恒川ワールドに浸りました。

No title

やっぱり最初は戸惑いますよね。これも狙いでしょうか?
でも話が進むにつれ、ちゃんと恒川らしさが出てきて妙に安堵しますよね。
プロフィール

藤中

Author:藤中
好きな作家は、
F・ポール・ウィルスン。
他にスティーヴン・キング、ブレイク・クラウチ、ジョージ・R・R・マーティン、伊坂幸太郎、近藤史恵、島田荘司などをよく読んでいます。
たまに映画関連、海外ドラマ関連、KinKi Kids関連の投稿があるので、
気をつけてください。

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