〈私の家では何も起こらない〉恩田陸

タイトルが「何も起こらない」といっているわりには、妙に穏やかでない感じですが(笑)、内容は、丘の上に建つ2階建ての古い家で起きたさまざまな出来事といったところ。
いわゆる幽霊屋敷ものだけれど、かなりサラッとしていて、それほどおどろおどろしくはない。
連作短篇だからかもしれないけれど、最初に提示された謎が、違う角度からわかってくるといった意外性もあって、ページ数も200ページと薄く(笑)、なかなかサクサク読めました。

失踪した叔母が住んでいた古い家を、買いとって住むことにした作家の私。
このいわくありげな家は代々、多くの人が死んできた。
子供を攫って、車椅子の主人に食べさせていた料理女。
台所でジャガイモを剥いていて、口喧嘩で殺しあいを始めた姉妹などなど。
そして失踪した叔母もじつは──

連作短篇ということで、幽霊屋敷にまつわるエピソードが8篇あるんですが、なかでも〈俺と彼らと彼女たち〉がなかなかよかったです。
長らく空いていた屋敷に住む人が決まって、大工が内装を施すんですが、幽霊屋敷と噂されているから誰も仕事を引き受けない。
ようやく何駅か向こうから大工親子がやってきて、内装を施すんですが、いかにも何かがいるところでの、その親子たちの幽霊扱い?が面白い。
最後には、内装のお金をケチろうとした不動産屋を、幽霊たちを使って脅して(笑)、ちゃんと払わせるところなんか、なかなかですし。
そういったところをみると、何かがいようとも、その屋敷になじんで、丁寧に使えさえすれば、きっと「私の家では何も起こらない」んでしょうが、やっぱり、そこで1人暮らしとなると、私にはおっかなくて、とても住むことはできない、かも。。。
最近、恩田陸の短篇はいまいちなのが多かったのですが、これはなかなか良しでした。
とりあえずはまた懲りずに短篇集が出たら読んでみるか。。。(笑)


メディアファクトリー 2010年1月発行
★★★

暖かくなるのと同時になぜか風邪をひいてしまったけれど、ようやく風邪から完全復活したようです。
熱がでた時に水分を取るのを忘れていたため、しばらく頭がずきずき痛くて大変でした。
風邪をひいたら、とにかく水分を取らないと、と教訓を得た次第です(歳には勝てん(笑))
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Secre

No title

まあ幽霊しか居ないのなら、霊感体質でない人にとっては何事も起きてない感覚なんでしょう。

でもわりと友好的な幽霊っぽい。死んだあとから人生の価値に気付いた?

No title

本当に何も起こらなかったら、それはそれで新しいチャレンジですけどね(笑)
私は自分では霊感はないと思いますがラップ音みたいのはたまに聞きます。

気候の変化が激しいと体調を崩しやすいですよね。私も気をつけなければ。

No title

イカダさん。どちらかというと、古い家を丁寧に使ってくれれば害がないといったところでしょうか。もやもやな幽霊はたくさんいるけれど、ようは住んでいる人の心持といった感じかも。

No title

びぎRさん。ラップ音みたいなが聞こえるのはよくありますよね。うちもたまにどこかでキーと鳴るけれど、どうも単なる建てつけが悪くて鳴っているみたい(笑) 今年の風邪は体中が痛くなるのでしんどいです。最初、年のせいかと思ったけれど、熱のせいだったのでホッとしました(笑)

No title

こちらの図書館では、200人待ちだわ。
今年の私は、恩田陸を後回し作家にしてるのよ(笑)

No title

うん。幽霊が主人公じゃなくあくまで大工が主人公なんだね。
映画で不慮の間抜けな事故で死んだ新婚カップルが幽霊になる話。その2人には買った家があったが、自分らが死んだから、家が売りに出されて、怪しい家族が引っ越してきた。怪しい家族は家の中で傍若無人にふるまい新婚カップルが備えた飾りつけとか壁紙とか色々全部変えてしまうから、新婚カップルはこの家族を追い出すことにきめた。
さて、この映画はなんでしょう? 藤中さんならわかるはずだよん。

No title

めにいさん。ちょっと最近の恩田陸の作品は良くもなく悪くもなくというところですからね。ちなみにうちは52人待ちです。

No title

novel1dayさん。ちょっとわかりませんね。なんていう映画でしょう? あっと、小説は大工が主人公ではないです。短篇ですから、その都度、主人公が変わるんですよ。

No title

なんと、読もうと思ってから1年かかりましたよ(笑)。
私は最初の作品が一番好きでしたね。それと後は大工さんの話かな。
恩田陸の連作短編はおもしろいですね。

No title

最近の恩田陸ではなかなか面白かった連作です。そういえば、最近、恩田陸は新作出していませんね。一頃、バンバン出ていたけれど、その反動でしょうか。。。(笑)
プロフィール

藤中

Author:藤中
好きな作家は、
F・ポール・ウィルスン。
他にスティーヴン・キング、ブレイク・クラウチ、ジョージ・R・R・マーティン、伊坂幸太郎、近藤史恵、島田荘司などをよく読んでいます。
たまに映画関連、海外ドラマ関連、KinKi Kids関連の投稿があるので、
気をつけてください。

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