〈夜がはじまるとき〉スティーヴン・キング

キングの5冊目の短篇集Just After Sunsetの翻訳二分冊目ということで、前に出た〈夕暮れをすぎて〉のつづきというところです。
キングに奇跡が起き(?)昔の短篇のノリが甦ったという謳い文句のこの短篇集ですが、その謳い文句どおり、一冊目の〈夕暮れがすぎて〉に負けないくらい粒ぞろいで面白い作品が目白押しでした。
短篇って、こうでなくっちゃといった感じですね。


魔性の猫
ニューヨークタイムズを特別割引価格で
聾唖者
アヤーナ
どんづまりの窮地

〈N〉はアーサー・マッケンの〈パンの大神〉に影響を強く受けて、そのアイデアをキングなりに描いた作品。
なんでも〈パンの大神〉はホラー・ジャンルが巨大な白い鯨に最も近づいた作品で、ホラーという形式を真摯に考えている作家なら、遅かれ早かれこのテーマに取り組むべき作品なんだとか。
そういえば、F・ポール・ウィルスンも〈荒地〉で、そんな感じの作品に取り組んでいますね。
とにかく、行ってはいけないといわれている場所には、決して行かないでくださいという感じのこの作品。
でも行かないとホラーにならないですしね。。。(笑)
〈魔性の猫〉は、猫を殺してくれと頼まれた殺し屋が、逆に恐怖体験をするという話。
うむむ。。。これを読むと、ほんと、猫って怖いってかんじです。。。
あとは、飛行機事故で事故死した夫から、かかってきた電話の〈ニューヨークタイムズを特別割引価格で〉
聾唖のヒッチハイカーを乗せた運転手の運命は、の〈聾唖者〉
死期が迫った父親に、見知らぬ他人の少女アヤーナがキスをしてから、父親が劇的回復をした〈アヤーナ〉
そしてこの中でいちばんのインパクトなのが、〈どんづまりの窮地〉
土地がらみのいざこざで、裁判で争うまでになった、カーティス・ジョンスンとグリュンウォルド。
あるとき、グリュンウォルドからの電話で和解をしたいといわれ、ジョンスンは隣家に向かう。
けれどもグリュンウォルドは銃を片手に、ジョンスンに仮設の簡易トイレに入れと脅すのだった。
ジョンスンは、してやらたと思いながらも、助かるために軽い気持ちで仮設トイレに入るのだが──
よく行楽地などに、臨時に置かれてある仮設トイレ。
そのトイレに閉じ込められてしまったら、というのがこの作品。
しかもこちらは悪意たらたらの仮設トイレですから、天井と周りを金属の板で補強されてあって、容易に出られない。
そして、入り口を下にして横倒しになってしまう仮設トイレ。
嗚呼。。。糞尿まみれのジョンスン、あやうし。。。
天井と周りは金属の板で覆われているから、ここからでるには、下に溜まっている糞をかき分けていくしかない。
うわわわ~~~(涙)
はたしてジョンスンの運命はいかに。。。
この、汚い描写をやらせたら、右に出るものがないキングだから、もう許して~の連続(笑)
ほんとうに、これぞ、恐怖小説という感じです。
とにかく臭い描写が濃くって濃くって、これだけで死にそうです(笑)
でもなぜか、キングが楽しんで書いているのが目に浮かびます(笑)
実際、これって喜んで書いているんだろうな。。。(笑)
いや、もう、こういった状況にならないように、仮設トイレに入るときは気をつけようと思いました(笑)
http://a248.e.akamai.net/f/248/37952/1h/image.shopping.yahoo.co.jp/i/j/7andy_32353044
文春文庫 2010年1月発行
★★★★
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Secre

No title

横浜市民は、キングはあまり好みではないらしく(ってそんなにたくさんいたら困るけど^^)、この本は12人の予約、「夕暮れ・・・」のほうは0でした。
そのわりには、購入した冊数の多いこと。本好きは、キングが好き?(笑)
最後の1篇は、ちょっとたまらない感じですね~~

No title

うちのほうの図書館には5人予約で、2冊入ってました(笑) 50人予約でも1冊しか入れない図書館なんですけれどね(笑) 「夕暮れ」のほうはもちろん0です。最後の1篇はもう、参りましたといった感じでした(笑)

No title

裁判中に和解と言われても信用しないことにしよう。

金属でトイレを補強したのは閉じ込めるためだったんだろうか。でも明らかに使用していたみたいだし。

No title

敵地に行くときは常に気をつけないとといった感じですね(笑) 土地がらみのもめごとで、ビル工事が中断してしまったんです。なので、トイレも使用途中だったのでしょう。それを金属で補強して、容易に出られないようにと、う~ん、確信犯ですね~

No title

ううっ、想像したら気持ち悪くなってきた…

No title

読むともっと気持ち悪くなります(笑) 飲み食いしながらは読まないほうが賢明です。

No title

パンの大神知ってる。
けど、なんか異様だった。危険を察知して読まなかった。この小説は危険だよ。。

No title

パンの大神は読みたいと思っていたのですが、危険物ですか(笑)
読むときは覚悟が要りますね~
プロフィール

藤中

Author:藤中
好きな作家は、
F・ポール・ウィルスン。
他にスティーヴン・キング、ブレイク・クラウチ、ジョージ・R・R・マーティン、伊坂幸太郎、近藤史恵、島田荘司などをよく読んでいます。
たまに映画関連、海外ドラマ関連、KinKi Kids関連の投稿があるので、
気をつけてください。

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