〈徳川家康 トクチョンカガン上・下〉荒山徹

何年かまえに、縄田一男氏が大絶賛というか、妙な、おちょくりかたをしていたので(笑)、眼にとめた荒山徹氏。
今回、誰もが知っているメジャーな徳川家康ということで、なんか選択まちがったんじゃないかって、ちょっと心配です(笑)
しかもあの隆慶一郎氏の〈影武者徳川家康〉を別の角度から書いてしまおうというのだから、これもちょっと危険なワザじゃないか、と。。。(笑)
上下2冊本で、「鳴かぬなら、鳴くまで待とうホトトギス」的人間を(笑)、どう荒山節で料理をしたのか。
それが今回よむ楽しみでした。

時は、豊臣秀吉が、朝鮮に兵を向けて、殺戮を繰り返していたころ。
朝鮮の僧兵の元信(ウォンシン)は、日本兵に捕らえられてしまう。
だが、短い脚に、太り気味の体躯の元信に、眼をつけた真壁七郎太は、彼を日本へと送る。
元信は徳川家康とそっくりだったのだ──

ノリ的には、元信が日本に来るまでは、けっこう面白かったんですが、そこから徳川家康の影武者、世羅田二郎三郎になるというのが、いまいち乗れなかったような気がします。
はたして徳川家康が、異国人というか、敵国人を、影武者に仕立てるだろうか、そもそも武将というものはいちいち暗殺者に注意しなくてはならないのに、近くに朝鮮の元僧兵を置くとは、どうにも話に無理があるんじゃないかと。
著者もそう思ったのかは知らないけれど、下巻に向かっては元信そっちのけで(笑)、真田幸村のほうに力を入れてしまったような気がする。
真田十勇士の、霧隠才蔵と猿飛佐助が出来ていたというのは、へ~そうなんだ~とか無駄知識に唸ってしまったけれど(笑)
あと、毛利勝永と土佐の藩主の山内忠義とか。。。(笑)
ま、このころの武将は男色もべつに珍しいことではなく、日常茶飯事だったというし。。。
しかし、大阪裏の陣。。。(笑)
今回、最後まで弾けた場面があまりなかっただけに、こういった些細な言葉にニヤリ。
こういったのがないと、やはり荒山作品じゃないですよね。。。
そういえば、北島正元著『日本の歴史⑯江戸幕府』の記述と、隆慶一郎著『影武者徳川家康』の記述の抜粋。
なんか、隆氏、多少は変えているけれど、日本の歴史の記述そのままなんですけれど、いくらなんでもこれってちょっとヤバくない。。。?(笑)
ここのところ、荒山氏、よく見つけたと思う(笑)
えっ、そういう比較じゃない??(笑)


実業之日本社 2009年9月発行
★★★
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コメントの投稿

Secre

No title

『柳生雨月抄』が続いているような感じですか?
ついていけるかしら??

No title

秀忠と宗矩のコンビといい、全体的にどうも何かのパロディになっているみたいなんだけれど、その元を読んでいないか、観ていないかなので、面白さがわからなかったです(汗) そういう意味でハードル高かったかも。もうちょっと勉強してから出直します(笑)

No title

タイトルがそのまま「徳川家康」だから真面目な歴史本だと思って読んでしまう人がいるかもしれませんね(笑)

No title

「トクチョンカガン」とついているところが危険信号って感じですが(笑)、普通の人は気づかないかも。だから図書館待ちがかなりあって、いつも1冊しか入らないのに、上下2冊づつ入ったのかも。。。

No title

元信は徳川家康とそっくりだったのだ。
本当に実在していた人ならば、おもしろいと思う。歴史小説の難しさは架空の人物をでっちあげたら、せっかく設定がよくてもボロボロになるね。間違いなく。それだけ、他の小説に比べて、歴史小説は厳しい制限が課されています。元信の存在を調べてみましょうか?もしでっちあげだったら、読む価値なし。作者の独りよがりの創作になってしまうから。

No title

たしか世良田というのが、家康の出身地で、元信が幼少時代の名前だったというので、影武者につけた名前って感じもします。世良田元信影武者説は隆慶一郎の小説のパクリなので、ここのところ、そのまんまではなく、ちょっと何かしら考えがあってもよかったかも。影武者になるという展開、なんか白けた感じもしました。
プロフィール

藤中

Author:藤中
好きな作家は、
F・ポール・ウィルスン。
他にスティーヴン・キング、ブレイク・クラウチ、ジョージ・R・R・マーティン、伊坂幸太郎、近藤史恵、島田荘司などをよく読んでいます。
たまに映画関連、海外ドラマ関連、KinKi Kids関連の投稿があるので、
気をつけてください。

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