〈影武者徳川家康上・中・下〉隆慶一郎

正月明けから、上中下巻と全3巻、必死こいてこの本を読んだのには、ちょっとした訳があるのです。
なぜかというと、あの荒山徹氏が、これを餌に?〈徳川家康〉を書くというではないか。。。!
しかもその〈徳川家康〉が、予約攻撃の隙をついて、そろそろ図書館からやってくる。。。
すわ、これは一大事とばかりに、今年初めての根性(笑)を出して読みまくりました(笑)

天下分け目の関ヶ原の戦い。
その真っ只中で、家康は、島左近配下の武田忍び、六郎に暗殺されてしまった。
だが、家康の影武者の世良田二郎三郎は、徳川陣営の咄嗟の機転で家康を演じさせられ、天下統一の大事な戦を乗りきり、泰平の世を築く。
けれども、自分のことを何もかも知る嫡子、秀忠に政権を渡せば、影武者の自分には命の保障がないと知った二郎三郎は、家康を殺した武田忍びの六郎率いる風魔衆を味方につける。
かくして泰平の世の中で、秀忠を支える柳生たちと、壮絶な闘いの幕が切って落とされる!

関ヶ原の戦い以降、家康の性格が変わってしまったことや(戦い以前は自分の子供に冷たかったのに、戦い以降に生まれた子供を溺愛、そして年増好きから、ロリコンへと変わったことなど(笑))、その他いろいろな謎の部分に着目して、書いたのがこの本ということです。
〈史疑徳川家康事績〉という本も参考にしたというから、家康影武者説というのは、かなり前からあったようです。
それをうまい具合に、しかも読んでいて妙に納得できる、家康影武者説になっています、この本は。
関ヶ原の戦いで、徳川家を柱に平和な世の中になったと思っていたら、裏でこんなことが跋扈していたのかと思わせるほど、上巻から読ませます。
特に、影武者の二郎三郎と甲斐の忍びの六郎の、友情というか絆みたいなものがいいです。
なので、ラストの家康死去のときに、思わずすすり泣きを洩らした六郎に、グッときました。
私は歴史ものを読むのはちょっと苦手だけれど、この本はなかなかどうして、読みやすかった。
たぶん、ストーリー展開の面白さや、キャラクター造形が素晴らしいのではないかと思います。
下巻あたりはちょっと、説明調で、散漫になった感じもなきにしもあらずですが。。。
さて、と。
最大の関心事は、荒山徹氏がこの作品をどう、おちょくる?かということです(笑)

新潮文庫 2008年11月発行
★★★☆
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Secre

No title

家康影武者説は、例えば真田十勇士とか時々見かけますが、なるほどこの視点は面白いです。
こんな展開が起きるためには、家康とその周辺が同じ目標を共有していたと言うことなんでしょうねえ。
影武者のロリコン!まあ少しは役得もないとねえ。

No title

山岡荘八の「徳川家康」は読んだけれど、つまらなかったのですが、これは面白そう。
さらに荒山徹とは。。。徳川家が抗議してこないのかしら(笑)

No title

司馬遼太郎の「梟の城」は豊臣秀吉を暗殺する話でしたし、ゲーム「鬼武者」では織田信長が桶狭間後に死んでいるし、この手の話はいろいろと想像力をかきたてますね。

No title

全巻読み終わったそうで何よりです(^^)

自分としては、これを読むかどうかで
「徳川家康-トクチョンカガン-」の楽しみ方が
かなり違ってくると思いますしw

No title

イカダさん。偽者説、真田十勇士にはよくありますよね。これは〈史疑徳川家康事績〉という明治35年に出版された本をもとにしたらしくて、それに隆氏が、いろいろと想像力を逞しゅうして(笑)書いたらしいです。でも、いちいち説得力のある影武者徳川家康なんですよ。

No title

めにいさん。山岡荘八の家康は、私も10巻あたりまで読んだのですが、あとはいろいろとあって読むの忘れたと思います(笑) 荒山氏でなくても(笑)、この本のもととなった〈史疑徳川家康事績〉は出版当初、徳川家ゆかりの人々が買い切り、政治圧力をかけて重版させなかったと噂されているそうです。徳川末裔、怖いかも。。。(笑)

No title

びぎRさん。有名どころになればなるほど、いろいろと想像を逞しくして、という感じですね。でも、伝わっている史実よりも、こういった裏史実のほうが面白いといえば、面白い。これからもこういった作品がいろいろと生まれそうです。

No title

DONさん。なんとか回ってくるすれすれ前で読みました。じつはもう回ってきてるんですよ、荒山氏の家康。他にいろいろな本が回ってきているので、ちょっと読むの後回しになっていますが、どんな展開になってくるのか、楽しみです。

No title

影武者って何人いたんだろう。。
彼は漫画の花の慶次の原作で知りました。

No title

けっこういたんですかね。やるかやられるかの戦国時代だから。
へえ~漫画の原作もしてたんでしたか。
プロフィール

藤中

Author:藤中
好きな作家は、
F・ポール・ウィルスン。
他にスティーヴン・キング、ブレイク・クラウチ、ジョージ・R・R・マーティン、伊坂幸太郎、近藤史恵、島田荘司などをよく読んでいます。
たまに映画関連、海外ドラマ関連、KinKi Kids関連の投稿があるので、
気をつけてください。

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