〈ダブル・ジョーカー〉柳広司

今年のミステリベスト10の上位に食い込んだ作品ということで、シリーズ1作目は図書館予約が凄くてまだ読んでいないのですが(シリーズものは途中から読む癖が。。。(笑))、2作目のこの本は予約待ちが意外となかったので、こちらから読んでみることになりました。

日本帝国陸軍内部に設立された『D機関』は、結城中佐率いる秘密諜報員組織。
死ぬな、殺すなを信条にしたこの機関は、陸軍士官学校や陸軍大学校といった軍以外の、東京、京都の帝大、早稲田、慶応、英米の大学の卒業生から成っており、独立性の高い組織だった。
が、この組織に対抗するように、陸軍大学校出の風戸は『風機関』という秘密諜報員組織を立ち上げることになるのだが。。。

一読して、この本を書いた柳広司氏は、軍事マニアの御大将(笑)といってもいいほど、日本帝国陸軍のことや、この時代のことを良く知っているな、と感心させられます。
そういったマニアックな著者の視点、軍のスパイたちの頭脳戦という背景は、いままでにないミステリーのスタイルでやけに新鮮です。
でも、展開は複雑に入り乱れさせているけれど案外、予想通りだったり、無理やりこじつけな感じもしなくない。
短篇5篇からなる作品ですが、表題作の『ダブル・ジョーカー』と『蝿の王』は、ちょっと出し抜くか、出し抜かれるかといった軽快な作風だったんだけれど、『仏印作戦』『柩』『ブラックバード』と、だんだん、戦争の面が色濃くなってきて、シビアになってくるのがちょっとばかし読後感が重くなってきている感じもするし。
これはもしかしたら、前作〈ジョーカー・ゲーム〉のほうが凄く面白かったのかも。。。
2作目はやはり1作目よりは、落ちる方が圧倒的に多いですし。
そういう点でも、2作目から読んでみるというのも面白いかも。
2作目が凄くよかったら、それは本物!みたいな。。。(笑)
この本の場合は、読むとそれなりに面白いんだけれど、このつぎこのシリーズが出たら進んで読みたいかというと。。。う~んといった感じですね。
たぶん軍事マニアじゃないせいかもしれないけれど。。。(笑)
この記事で今年の読書記事の締めくくりのようです。


角川書店 2009年8月発行
★★★
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Secre

No title

ダブル・ジョーカー。
つついやすたかさんも絶賛していたね。マニアックさというのはこうゆう小説を書くとき便利な機能ですね。
藤中さんは、最近は警察にいりびたっていないのですか?

No title

ジョーカーゲーム、表紙はみたことがあります
軍事とか大好きな方はのめりこむのでしょうね。
ただこういうのって読む方を極端に選ぶ
しかし軍事だと男の子は好きな方多いから、需要はありますよね

No title

ずいぶん大きく宣伝されているので、気になっていましたが、マニアックな本なのですね。
ちょっとついていけない感じですね。年月が過ぎて、評価が定まってから読むことにしましょう。

No title

表紙がかっこいいですね

No title

国全体が勝つことより自分の利益を優先すると、国が丸ごと負けてしまう。がテーマだったらよしとしますけどね。
早い話が、マニアック系軍事ファンはやだ。

No title

novel1dayさん。つついやすたかさんも絶賛でしたか。たぶん、1作目の「ジョーカーゲーム」は出来がいいと思います。最近は、警察官の後をこっそりつけるくらいですね(笑)

No title

タヌキさん。けっこう素人にもわかるネタですけれど、だんだんネタつきるとマニアックなほうに行ってしまう感じかも。やはり男子のほうが興味あるのかもしれないですね。

No title

めにいさん。マニアックは知識のほうで、小説はさすがに素人にもわかりやすくしてあります。ただ、この話を続けて読む興味というのが、私が読んでいる間はだんだん薄れつつあったもので。。。

No title

らきポタンさん。主人公の結城はなかなかの綺麗どころのようで、これで女性ファンを獲得している感じもあります。

No title

イカダさん。日本軍のスパイのお話という感じですね。これから第二次世界大戦で負けてしまうので、このスパイたちはどうなってしまうのかという興味もありますが。。。

No title

おぉ軍事マニアですか?ちょっと食指が動きます。
でも私はどっちかと言うと海軍の方が好き(笑)

No title

海軍のほうでしたか。日露戦争のときの参謀の秋山真之とか私はけっこう好きです。
司馬遼太郎の「坂の上の雲」とかを読んで覚えただけですが。。。

No title

私はこの本すきですよ。ジョーカーゲームも読みました。何かちょっと知的なゲームの感じかよいです。

No title

たしかに目新しくて面白いことは面白いけれど、ちょっと好みではなかったもので、点も辛くなりました。
プロフィール

藤中

Author:藤中
好きな作家は、
F・ポール・ウィルスン。
他にスティーヴン・キング、ブレイク・クラウチ、ジョージ・R・R・マーティン、伊坂幸太郎、近藤史恵、島田荘司などをよく読んでいます。
たまに映画関連、海外ドラマ関連、KinKi Kids関連の投稿があるので、
気をつけてください。

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