〈獣の奏者Ⅲ探求編・Ⅳ完結編〉上橋菜穂子

あの〈獣の奏者〉に続篇があったなんて、ぜんぜん思ってもみなかったです。
なので、続篇の刊行には、ほんとびっくり。
しかも完璧に完結したと思っていた話から、うまい具合に謎を引きだしていって、その謎を解明するために再び、わくわくするような物語が展開されるとは。。。
これはもう、さすが上橋菜穂子。。。ひれ伏すしかというしかないという感じです(笑)

11年後ののち、エリンはひとつの闘蛇村を訪れることになる。
リョザの戦闘部隊ともいうべき〈牙〉と呼ばれる、闘蛇の大量死がおきたのだ。
大量におきる〈牙〉の死は、あちらこちらの闘蛇村でも過去にみられていたものだった。
リョザ神王国の大公に、この大量死の謎を解くようにいわれたエリンは、真相を探るうちに、驚くべき事実に突き当たるのだが。。。

「獣の奏者Ⅰ闘蛇編」のエリンの母が犠牲になるあのプロローグから、この話の展開を考えていたのかと思うほど、あのときのエリンの母親が言ったことの意味が、ここでわかるように出来ていて、思わずうなりました。
でも、あとがきを読むと、前のⅠ、Ⅱで完結したと作者も思っていたようで、続篇は書くつもりはなかったようで。。。(笑)
アニメ化にあたって最初から読んでみたら、脳髄を直撃するような発見があったとのことのようです。
こういった神がかり的なこともプラスしてこの小説を書き上げたからか、Ⅲはもう、何かにとり憑かれたごとく、怒涛の勢いでした。
前の巻から10数年が経ち、ちょうどエリンが母となって、母のソヨンと同じ運命に陥ったのも、また運命的なものなのかもしれないです。
そのとき、エリンの母は死を選んだけれど、エリンは生き抜くことを選んだのもまた、母に眼の前で死なれたエリンの思いなのかも。
闘蛇をも軽々と食い殺す、王獣を操るエリンは、味方の国からも監視の対象で、敵の国からも刺客が放たれる存在。
このままでは最強の王獣は国の武器とされ、否が応でも戦いが始まると思ったエリンは、リョザから逃げようとしますが、子供を抱えては逃げられないと悟り、断念。
だからいって生きることを選び、死ぬことはできないエリンは、敢えて、王獣と闘蛇とが戦って、すべてのものが全滅してしまったという前史の通り、王獣を武器として戦場に赴きます。
そして、そこでエリンが眼にした真実とは。。。
う~ん、そうか。。。
もしかしたら、王獣とは、現代でいう核兵器みたいなものなのではないか、この小説を読んで思いいたってしまった。
そしてこれは、現代人への警告のような気もしてならなかったです。

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コメントの投稿

Secre

No title

確かに、核兵器や、戦争のなくならない現代を強く意識させますよね。
英雄ではない人間を描くことで、簡単な解決はないけれど、希望はあると思わせてくれました。上橋菜穂子の次回作が期待されます。

No title

著者も書こうと思っていなかった続篇ということですが、うまい具合に謎を引っ張って、その後を描ききりましたね。私もこの本を読んで、そういえば、闘蛇の大量死のことはまだ解明されてなかったな、と思いだしました(笑) 著者もそのことに気づいて、この物語をということになったんでしょうね。

No title

完結したと思った話に続きがあったら嬉しいですよね。
私も守り人シリーズを読み終わったらこれを読もうと思っていますがその嬉しさは味わえないのがちょっと残念です(笑)

No title

その真実とは、エリンは王獣らが火の七日間で世界を破滅させた巨神兵達であったことに気がついた。「どうして。。あたいは、こんな獣どもを操ってきたのだろう」エリンは王獣らを制御するために彼らに戦いを挑むのであった。エリンは王獣らに殺されそうになったその時! ミレニアムファルコン号が飛んでやってきた。ハン・ソロ船長だった。ファルコン号は、デススターの排気ダクトにミサイルを撃ち込もうとするルークが操縦するXウイングの背後につけたタイファイターを撃破した。「ルーク!早いことそれぶっこんでおさらばしようぜ!」そしてルークはミサイルをぶっこんでめでたくデススターは木っ端微塵になりました。という終わりでしょ!

No title

びぎRさん。私が続篇の存在を知ったのは、週刊文春の書評でした。誰が書評を書いていたのかは忘れてしまったけれど(笑)、見た瞬間、文庫版が出たのかな、くらいしか思っていなかったので。。。よく読むと新刊ということで、えっ、そんなバカなって感じでびっくりでした。

No title

novel1dayさん。そんな派手な話ではないんですが。。。方向はあっているかも。。。(笑)
ま、とりあえず、なんでも最終兵器は使ってはダメということでしょうね。

No title

こんにちは。続編が出たのですね。闘蛇編、王獣編とも、意外な面白さですっかり引き込まれて読んだので、続編というのはすごく楽しみです。あのエリンがお母さんになって登場するんですね。なにやら考えさせられる内容のようで、気になります。

No title

方向あってましたか。よかったあ。

そういえばシナリオのネタぱくられたのか。。
侍ゾンビ。今気がついて憤慨しています。というかまさか映画になったとは知らなかった。
http://blog.livedoor.jp/zeppeki1/archives/51157910.html
2009年。
これが僕の記事。2008年。
http://blogs.yahoo.co.jp/novel1day/MYBLOG/yblog.html?fid=0&m=lc&sk=0&sv=%BB%F8%A5%BE%A5%F3%A5%D3
まあ超C級シナリオだったからなあ。忙しいから忘れてた。

No title

さにーさん。あれで終わっていたと誰もが思っていたので(著者も)、ほんと思ってもみなかった続篇でした。Ⅲの探求編なんかは、怒涛の勢いです。Ⅳはちょっとのんびりムードですが、ラストに至る王獣の真実はおおっという感じでした。

No title

novel1dayさん。タイトルも同じですね。あんまりシナリオとかをブログに載せないほうがいいんじゃないかと思います。それかファン限定にするとか。私は小説は完成した先から隠しています(笑) 今度からファン限定しようかとも思っていますが、ひとりだけヤフーブログ以外からも訪問するので、しばらく経ってからファン限定にしています。

No title

エリンの原作も手にしてみたいです

No title

原作も素晴らしい出来ですよ。ぜひ読んでみてくださいね。

No title

完結編を読んでる途中なのでトラックバックだけして帰ります(笑)

No title

> びぎRさん
この記事で続編があったなんてぜんぜん思ってもみなかったと書いてあるけれど、前の記事で続編でるんじゃないかとか書いてある。。。そこは念のためスルーしてください。。。

No title

確かに王獣と闘蛇は核兵器になぞらえているようですね。それをこの世界観に矛盾なく(少なく)表現していると思いました。

No title

> びぎRさん
ファンタジーなんだけれど、現実を突き付けてくる塩梅が絶妙でしたね。

No title

やっと今頃読みました~
TBしときます^^)

No title

> toll-npcさん
7年が経っているんですね。。。内容、忘れるわけだ(笑)
プロフィール

藤中

Author:藤中
好きな作家は、
F・ポール・ウィルスン。
他にスティーヴン・キング、ブレイク・クラウチ、ジョージ・R・R・マーティン、伊坂幸太郎、近藤史恵、島田荘司などをよく読んでいます。
たまに映画関連、海外ドラマ関連、KinKi Kids関連の投稿があるので、
気をつけてください。

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