〈死に山〉ドニー・アイカー

タイトルからして不吉な感じが漂っています。
副題に「世界一不気味な遭難事故」「ディアトロフ峠事件」の真相、と書かれているから、もうそれだけでこれは読まないと思って図書館予約をおさえました。
そういった人がたくさんいるのか、この本、いまだに61人も並んでいますが、私が予約を入れたときも10人ほど並んでいたので、ノンフィクションとしてはなかなかのヒットのような気がする。
内容は1959年の冬に、ソ連のウラル山脈に登山に行った大学生の男女9人が遭難したというもの。
荒らされた状態になっていないキャンプのテントから1キロ半も離れたところでほとんどの人の遺体が見つかるが、衣服もろくにつけていなくて靴も履いていない状態で、三人は頭蓋骨骨折、女性は舌を喪失、衣服には高濃度の放射能が検出された状態で見つかったのだ。
いったい全体、どうしてこの9人はキャンプ地のテントから、靴も履かずに出ていったのか。
これはかなり不可解な話で、島田荘司さんあたりが題材にして、とんでもないトリックを使って解決しそうな話ですね。
アメリカ人の著者はロシアに渡って、当時の状況を知る人に話を聞いて(遭難した登山チームの中で途中一人だけ体調不良で戻ってきた人がいた)、そして自分でも遭難したルートを辿ってキャンプのあった場所へと赴きます。
雪崩、少数民族の殺害説や秘密の核実験説、UFO説、武力集団説、凶暴な熊説、などを理論的に否定していって、そして最後に著者が辿りついた結末は。
私がなんとなく考えていた説だったけれど、それに加えて「超〇〇〇〇」は気が付かなかった。
でもたぶんこの事件が起きたということは、こういう解決しかないのかもしれない。
この結末を知ってからのタイトル。
なかなか深いタイトルかもしれない。
ただひとつだけ言いたいことは、マイナス30度のところに登山に行かないで、聞いただけで死にそーになるから。
そうそう。
当時のソ連の最終報告書は「未知の不可抗力によって死亡」とだけ書かれてあったそう。
案外、当たっていたのかも。。。

2018年8月発行 株式会社河出書房新社 ★★★☆
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2019年11月の記録

・読書記録 死に山: 世界一不気味な遭難事故《ディアトロフ峠事件》の真相の感想 『冷戦下のソ連で起きたトレッカーの遭難「ディアトロフ峠事件」を追う。何故9人の若きトレッカーたちは安全なテントを捨て極寒の屋外に飛び出したのか?』冷戦下のソ連で起きた遭難事件をアメリカ人の著者が追うドキュメンタリー。極限状態の雪山、冷戦下のソ連、50年前、色々と馴染みのない状況の事件の調査は謎が謎を呼び非常に興...

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Secre

No title

未知の不可抗力によって死亡!
これしかないですね・・・・・

No title

> toll-npcさん
現代から見ると、当時の人たちはなかなか上手いところついていると思います。

No title

こんなトンデモな状況に説明のつく解決なんてあるのか?という感じです。すごく興味深いです。チェックしとこう。

No title

図書館予約91番でした(^_^;)

No title

> びぎRさん
ところがひとつだけあったんですよ。でもまだ検証していないのでわからないですけれど、たぶんこれしかないのではないかと思います。91番はすごい。でもいつ順番がまわってくるのやら、です(笑)

まぁ、「マイナス30度のところに登山に行かないで~」につきますね(笑)
待った甲斐があってなかなか楽しめました。ご紹介ありがとうございました♪

>びぎRさん。
なんで登山家ってあんなに寒くて危険なところにいくんでしょうね。。。
楽しめたようで何よりです。。。
プロフィール

藤中

Author:藤中
好きな作家は、
F・ポール・ウィルスン。
他にスティーヴン・キング、ブレイク・クラウチ、ジョージ・R・R・マーティン、伊坂幸太郎、近藤史恵、島田荘司などをよく読んでいます。
たまに映画関連、海外ドラマ関連、KinKi Kids関連の投稿があるので、
気をつけてください。

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