〈パンドラの少女〉M・R・ケアリー

「年に一冊だけしか本が読めないとしよう。読むべきはこの本しかない」
「カズオ・イシグロmeetsウォーキング・デッド」
本の帯でこうあおっているので、これは読むしかない。
とくにウォーキング・デッドという文字が躍っているのであれば。
あらすじとしては、人間としての精神を失って捕食本能が支配する奇病が蔓延した〈飢えた奴ら〉がいるさなかに、ロンドンの郊外の基地で集められた子供たちを教育・研究する教師と科学者のもとで緊急事態が勃発するというもの。
この子供たちを集めて一体何をというところに、カズオ・イシグロmeetsウォーキング・デッドの意味がわかってきて、これはたしかに普通のゾンビ的な話じゃないところが目新しい。
でもその後の展開はゾンビものの王道である逃走劇もちゃんと描いてくれているので、そこのあたりの読み手の読みたいものをきちんと持ってくる手腕がじつにいい。
ページが終わりに近づくにつれ、後これだけでちゃんと終われるのか、もしかしたらこの本は最近流行りの3部作の1巻目で、次に続いてしまうのかと懸念していたのだけれど、見事に終わった。
ほんとうに完膚なきまでに終わらせたといっても過言でないほど、スケールのでかい見事な終わりっぷり。
いや、もう、これ以上ないほどの完結ぶりに、この手のジャンルの新たな金字塔になるのではないかと思ったほど。
これでは続篇もつくれないんじゃないかな。。。
いや、絶対つくったらダメでしょうね。
映画化はされるそうなので、そちらも楽しみです。

2016年4月発行 東京創元社 ★★★★
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Secre

No title

帯の惹句はなかなか魅力的ですね。ゾンビものはブームを通り越して一ジャンルとして確立されて面白いものも多いので気になります。終わり方も気になります(笑)

No title

> チルネコさん
なかなか世界観がちゃんとしていて面白いんですよ。ゾンビものの変わった形みたいなものがあるので、そこが目新しいのかも。。。

No title

えいがかもされる、帯の煽り、これは図書館チェックですね。

No title

子供たちに奇病への対策の鍵があるっていうパターンを想像しますが、捻りがあるんでしょうね。
傑作であればあるほど続編を作りたくなるのが人情ですが。。。さてさて

No title

> Puffさん
えいがか次第ではまた話題になりそうな気配です。うまい具合にこの世界を描ければいいのですが。。。

No title

> びぎRさん
もしかしたらウルトラ級の対策かも。。。続篇は出来ない終わり方なので、続篇書いたらさすがの私も切れるかも。。。(笑)

No title

「メアリーたちのその後」って感じの続編は出来る気がしました。もっとも彼らは・・・ですけどね(^^;)

No title

メラニーでした(>_<)

No title

> びぎRさん
その後の続編はできるかもしれないけれど、ちょっと想像できてしまうからいいか、みたいな感じです。この記事、メラニーの記述がないからたぶんわからなかったかも。。。名前くらい残しておかないとと思った(笑)
プロフィール

藤中

Author:藤中
好きな作家は、
F・ポール・ウィルスン。
他にスティーヴン・キング、ブレイク・クラウチ、ジョージ・R・R・マーティン、伊坂幸太郎、近藤史恵、島田荘司などをよく読んでいます。
たまに映画関連、海外ドラマ関連、KinKi Kids関連の投稿があるので、
気をつけてください。

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