〈色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年〉村上春樹

タイトル、長いよ、春樹。。。(笑)
と、誰もが突っ込みを入れたくなるようなタイトルだけれど、テレビなんかでさんざん聞かされて慣れてくると、インパクトの面でけっこう上手いタイトルつけたな、という感じかも。
きっと、そういうところもちゃんと計算されつくされているんだと思う。
本1冊出るたびに、お祭り騒ぎ的な売れ行きで、1歩上行くミーハー的な流行作家になってしまったような気もするけれど、あいかわらず文章力の面ではさすが世界のムラカミという感じです。

大学時代に、突然、仲の良かった4人から、絶縁を突きつけられてしまった、多崎つくる。
30代も後半になり、大学時代になぜ絶縁されたのかを知るために、つくるは1人1人に逢いに行くことになる。。。

アオ、アカ、シロ、クロと名字に色彩を持つ4人から絶縁された、名字に色彩を持たない、多崎つくるがなぜ、絶縁されてしまったのかを知るための話、という「海辺のカフカ」「1Q84」とかの大作に比べると、割合、フツーな話だけれど非常に読ませる。
やはり何書かせても上手いな、春樹(笑)というのが率直な意見。
私としては、「海辺のカフカ」や「1Q84」のようにちょっと非日常が入ったほうが好みではあるけれど。
でも長年書いていても、先へ先へと読ませる筆力は健在で、推敲に推敲を重ねた文章は読んでいて心地良い。
難しい文章を使わずに、つとめて誰にでもわかりやすく書くという著者のこだわりみたいなものが文章に表れていて、本当に上手い文章というのは、こうでないとと思ったりした。

文藝春秋 2013年4月発行 ★★★☆
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Secre

No title

龍は割合好きですが、春樹の方はちょっと食わず嫌いです。わかりやすく書かれていますか? それなら「1Q84」は今なら待ちなしで借りられるようなんでそのうち覚えていたら読もうかな、と。

No title

びぎRさん。春樹のほうは私も昔「ノルウェイの森」で挫折しています。5年前かそこらに「海辺のカフカ」を読んだときに面白いじゃんと思ってそこから読んでいるので、じつはまだ春樹初心者です(笑)

No title

また村上春樹。ひさびさな感じですが、またへんなタイトルつけてますね。短編っぽいタイトルです。宣伝っぽくなんか褒めすぎのような気持もしますが、彼のスタイルは変わってないですね。読んでいないから判らないけど。村上春樹のような大衆小説は、個性を消すけど、文学は個性を引き出すという感じで反対ですね。最近、ヘミングウェイの老人と海を読み返しました。彼のハードボイルドはリアリティがありますが、村上氏のはどうも風船に乗った人物像みたいでふわふわしているような。海辺のカフカ以来読んでいません。IQ84も。
カフカの変身のようなリアルさが彼にあればなあ。そうなったら、彼のファンになるかも。キングは父子の絆、家庭、高校生、を上手にリアルに描いています。たとえ不可解な恐怖が起こっても、下地の現実がしっかりしています。。だから安心して読める。

No title

ノベルさん。村上春樹には村上春樹の良さがあるから、他と比べてどうたらとは安直には言えないけれど、世間が大騒ぎするほどの本ではないということは言えるかも。。。私を含めて、マニアな人がこっそりと愉しむ本的な感じの方が案外しっくりくるかもしれない(笑)

No title

私も、ノルウェイの森以来の挫折組です。歳をとったので、1Q84 あたりから再チャレンジしてみようかしらんと思っております。

No title

異邦の騎士さん。ノルウェイの森で挫折した人には 、1Q84 は物語の面白いさでかなり取っつきやすいかも。。。お薦めします。

No title

読みましたか~^^
図書館ではなかなか順番が回ってこないですよね。買うしかないか~~(笑

No title

Puffさん。今回、割合さらっとした感じの話なので買うよりも、図書館で借りたほうがいいかも。。。あと2年もすれば余裕で借りられますし。

No title

お久しぶりです(;^_^A
図書館ユーザーの私は、ようやく読むことができましたww
ガシガシ読まされてしまって、サラっと読み終えてしまったんですが…いろんな方の書評をみていると、なにやらミステリっぽい解釈とかもあるようですね。
TBさせてくださいね^^

No title

チュウさん。私も図書館ユーザーですが、この本は根性で予約をとったので、早めにとれました。。。村上春樹の本は昔と違って読みやすくなったような気がします。といっても、そんなに読んではいませんが。。。

No title

村上さんの文章に魅せられてるようですね。この方の文章は自意識で溢れてる感じですが、端整で読みやすしと思います。特にエッセイの文章は読んでいて説得力があるなぁといつも思ったりも。トラックバックさせてください。

No title

> チルネコさん
たぶん、私の中では村上春樹の文章がいちばんしっくり来ているからだと思います。ほかの人の文章だと、いちいち直している何様な自分がいますが(笑)、村上春樹にそういう無駄がないところがさすがと感心します。
プロフィール

藤中

Author:藤中
好きな作家は、
F・ポール・ウィルスン。
他にスティーヴン・キング、ブレイク・クラウチ、ジョージ・R・R・マーティン、伊坂幸太郎、近藤史恵、島田荘司などをよく読んでいます。
たまに映画関連、海外ドラマ関連、KinKi Kids関連の投稿があるので、
気をつけてください。

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