〈ガソリン生活〉伊坂幸太郎

「車の気持ちを描ききった」と国内全車両、絶賛!(たぶん)と帯で謳っているように、確かにこの本を読むと、自分が持っている車があったとするならば、買い替えなどせずに動かなくなるまで乗ってあげたいという気持ちになってしまうかもしれない。
本当に車の気持ちが読み手に伝わってくるという、異色の物語です。。。

免許取りたての兄の良夫と弟の亨の乗る、望月家の愛車である緑のデミオに、ふとしたきっかけで女優、荒木翠が乗り込んできた。
目的地まで乗せて降ろしたその後、翠が浮気相手の男と車に乗っているところをパパラッチに追跡され、逃れようとした車がトンネル内で大破、2人は即死してしまう。
その日から望月家は事件へと巻き込まれてしまう。。。

タイトルが示すように、車のデミオが語る話なんだけれど、隣家のカローラのザッパ、ファミリーレストランの駐車場での車同士の会話などファンタジーな展開でも、あまり違和感がないところはさすが伊坂といったところ。
車の擬人化というと「カーズ」が有名だけれど、この話はどちらかというと車版「トイストーリー」といったほうがしっくりくるかも。
アッガイとかのガンダム関連ムダ知識(ジオン軍を率いているのがザビ家で、シャアはダイクン家なんて初めて知った(笑))、スピルバーグの「激突!」キングの「クリスティーン」など車関連の映画知識にもニヤリとさせられる。
今回、かなり細かく伏線を敷きまくり、それをラストで見事に回収させる、伊坂幸太郎従来の話の展開が戻ってきて、そこのところかなり感心させられた。
ラスト、緑デミオの行方に涙ぐみ、ほっとした。

朝日新聞出版 2013年3月発行 ★★★★
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Secre

No title

朝日新聞で連載されていましたね。実家でとっているので何回か読みましたがこんなサスペンスな内容だとは全く思いませんでしたよ(笑) 主役がマツダデミオってのがなかなか渋いですね~ 伊坂幸太郎はガンダム世代ど真ん中位かな?

No title

びぎRさん。私は当時、ガンダムはリアルタイムでは観ていなかったので(10歳代半ば以上の視聴者に人気だったようなので)、私よりも年下の伊坂幸太郎もガンダム世代ど真ん中ではなかったと思います。私の年代よりもう少し上がガンダム世代かも。。。

No title

まあ、彼は典型的な、普通の人なんでしょうね。
自動車業界の回し者という印象を受けましたが、単純に自動車を所有していると、洗車の楽しみや、あちこち走り回る楽しみは、小説を読まなくとも、感じていました。
そうゆうところを突くのは、面白みに欠ける人ですね。うーむ。小説の世界でも面白い人がいないですね。。

No title

ノベルさん。伊坂幸太郎の凄さは映画「フィッシュストーリー」を観てもらうとわかりますよ。この一本が伊坂幸太郎の作品を象徴していると思う。。。

No title

こんにちは。車が語る話なんですか。それは珍しいかも。いや、そんなことよりガンダムネタ!萌えますね。(←ここに食いつくオタクな私)ザビ家vsダイクン家は基礎知識です。アッガイは鉄鍋かぶったみたいな丸っこいヤツですよね。懐かしい~。私の小中時代はガンダムとそれに続くサンライズ作品全盛期で、かなりハマッてました。しかし冷めるのも早かったのか、ガンダムは最初のヤツだけなんですけどね。30年くらい前なのに、いちいちMSとか覚えてるところが自分でも怖い。。。(苦笑)

No title

さにーさん。伊坂幸太郎にしては珍しい話かもしれないです。私はその時代、年齢的にちょっと下だったからか、ガンダムとは無縁だったようで、シャアがダイクン家だったとはこの本を読んで初めて知りました。しかも、アッガイって何?の世界で。。。(笑) あとから再放送で1作目のテレビアニメを観ているにもかかわらず。。。MSに至っても、なんじゃそりゃ、です。。。(汗)

No title

こんばんは~☆
車同士の会話、面白そうですね。私のT車の○○○ですが、どんな会話するんだろう。。。

No title

Puffさん。この作品を読むと車をうかつに手離せなくなります。車を持っている方にこそお薦めです。

No title

緑デミオの行方は偶然なんでしょうか?亨君ならわざわざ探しそうな気もしますね。

No title

びぎRさん。偶然のほうが小説的にはオイシイ気がしますが、どうなんでしょうね。。。?
プロフィール

藤中

Author:藤中
好きな作家は、
F・ポール・ウィルスン。
他にスティーヴン・キング、ブレイク・クラウチ、ジョージ・R・R・マーティン、伊坂幸太郎、近藤史恵、島田荘司などをよく読んでいます。
たまに映画関連、海外ドラマ関連、KinKi Kids関連の投稿があるので、
気をつけてください。

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