〈六人目の少女〉ドナート・カッリージ

ドナート・カッリージは映画やドラマの脚本を手掛けていて、本書で念願の作家デビューしたという事のようです。
本書はイタリア版「羊たちの沈黙」と称されて、数々の賞を受賞したらしい。
イタリアのミステリーというのもなかなか珍しいので、そういった興味で手にとってみました。

森から発見された左腕5本は、連続して行方不明になった少女5人のものだった。
けれども腕はあともう1本発見される。
いったい6人目の少女は誰なのか。
失踪人捜索を得意とする捜査官、ミーラ・ヴァスケスは、犯罪学者ゴラン・ガヴィラとともに捜査に加わるが、犯人は周到な計算で捜査を翻弄するのだった。。。

行方不明の少女たちが5人にもかかわらず、6本の左腕が発見されるところからして、冒頭の展開が上手く、読むものを物語に惹きつけてしまう手腕は見事の一言。
そして次から次へと予期せぬ事態に、読み手はすっかりこの物語のペースにはまってしまう。
事件がてんこ盛りで、犯人もてんこ盛りなので、内容が濃くって濃くって。。。(笑)
本当にこの物語の3分の2まで読んでいるときは、今年最高の本になってしまうかも、とか思っていたんですけれど、だんだんトンデモな展開に。。。(笑)
主人公からして、人の痛みを感じないために、自傷して痛みを感じるという危ない人物だから(笑)、この展開もありかな、とか思ってはいるんですけれど、やはりあくまでもミステリーにこだわりたい感じもするので、この展開はいただけないかも。
新人だから仕方がないのだろうけれど、ラストに行くに従って展開が説明不足で不親切なところもあって、ん? いったいこれは何の話になっているんだろう、と思うところがしばしばあった。
なので犯人よりも、最後の操られて?いた人の犯行に驚いた。
これにはちゃんと伏線もあって、この伏線、ある意味、すんごく怖いかも。。。
3分の2くらいでまとめてくれれば傑作だったのに、と思わずにいられない。。。(笑)

早川書房 2013年1月発行 ★★★☆
スポンサーサイト



コメントの投稿

Secre

No title

左腕を切断された少女たちの生死が気になるところです。
生きていたらそれはそれで凄惨な話になりますけどね。

No title

びぎRさん。鋭いですね。そこのところがこの作品の落としどころでもあるんです。特にタイトルの6人目の少女が。。。

No title

早川はオカルトやSF専門でしたっけ。

その伏線が気になります。。
藤中さんがゾッとするぐらいの心理ですよね。

No title

ノベルさん。ミステリー専門もです(笑)
伏線は後から読むと、ほんとサイコな怖さです。
プロフィール

藤中

Author:藤中
好きな作家は、
F・ポール・ウィルスン。
他にスティーヴン・キング、ブレイク・クラウチ、ジョージ・R・R・マーティン、伊坂幸太郎、近藤史恵、島田荘司などをよく読んでいます。
たまに映画関連、海外ドラマ関連、KinKi Kids関連の投稿があるので、
気をつけてください。

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
カテゴリ
訪問者数
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR