〈母性〉湊かなえ

ここのところ、また量産体制に入ってきたかのように作品を次から次へと放っていますけれど、ここいらでちょっと腰を据えてどっしりとした話を書いてほしいような気もします。
とはいえ、今が旬の売れっ子なので、そういったことは無理なのかも。
この作品は「これが書けたら作家を辞めてもいい。その思いを込めて書きました」とあるので、かなり期待大でしたが。。。

四階の自宅から転落した女子高校生。
警察は自殺と事故の両方で原因を詳しく調べているらしい。
1人の高校教師がふと眼についた、この新聞記事には母親のコメントも添えられてあった。
「愛能う限り、大切に育ててきた娘がこんなことになるとは信じられません」
この言葉に教師はこの事件の真相に興味を持つ。。。

あいわらず、普通の人が持っている、ちょっとした心の歪みを引きずり出してくるのが上手いですね(笑)
いい人と言われる人ほど、湊かなえにかかると、異常で歪んだ人になってくるから不思議です。
ただ今回の話、途中まではどういう結末を迎えるのかわからなくて読ませましたが、ラストに至っては、いったい今までのことは何だったんだ?という感じになりました。
「りっちゃん」「たこ焼き」ときたので、もしかしたら新聞記事の結末ではないのかも、というのはうっすらと判ったのだけれど、ここのところの結末にもうちょっとひと工夫が欲しかったかも。
ラストで気が抜けてしまったので、もうちょっと時間をかけて書いたら、もうちょっと考えた結末になっていたと思うので、そこのところが残念です。
こんなことをやっているとそのうち飽きられてしまうよ、と私がいうのもなんだけれど(笑)、そんな心配が頭をもたげてしまいました。
ま、それでも読んでいて面白いことは面白いので、軽く読むにはうってつけなのだけれど。

新潮社 2012年10月発行 ★★★☆
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Secre

No title

うーん、売れっ子作家というのはそこのへんにジレンマとかあるかもしれませんよね。それでもこんだけ書けるのはすごいことです。いつか落ち着いてきて時間をかけて書ける環境になったらすごいの出てきたりして^^
湊さんは告白以来読んでないのかな~?なんかも一つ読んでみたいのでこれも候補の一つにします!

No title

るるさん。あいかわらず読みやすくて面白いんですけれど、読者もそれ以上の面白さを期待しているだけに、普通の出来では満足できなくなっているのかもしれません。これだけ書ける人なので、どっしりとしたものを書けば、敵なしかもしれません。

No title

彼女のは告白の2ページ目で読む気が失せて以後読んでませんが、なんだかんだと書いているみたいですね笑。
やはり小説は最後かもしれません。ラストの組み立ての味わいは、人それぞれだろうけども、藤中さんの求めていた雰囲気ではなかったようですね。大衆文学は、純文学と違って作品の組み立てが甘いからか、どうしても読者が求める刺激を描くほうへ作者は傾いていくのかもしれません。
湊かまえさんもめんどくさくなったんじゃないでしょうか。読者に対するサービスに。。

No title

「愛能う限り」の読み方、意味が分からなかったのでググったら知恵袋で質問している人がいましたよ(笑)
宣伝文句であんまりハードルを上げると逆効果になっちゃいますね~

No title

ノベルさん。告白の2ページ目で読む気が失せたとは。。。私は逆に読む気が出てきたように思いました。ページ数が少ないし。。。(笑) じつは告白もラストがブラックに落ちているんですよ。ここのところがよかったのですが。。。

No title

びぎRさん。私も読み方がわからなかったです(汗) 意味は本文に書かれてあったので、わかりましたが。。。もうちょっと凄いのを書いたときに作家を辞めてもいいと書いた方がカッコいいかも。。。

No title

こんばんは☆
愛能う限り、何て読むのでしょう???
軽く楽しんで読めるようなストーリーなんでしょうか。読んでみます^^

No title

Puffさん。「あいあたうかぎり」と読むようです。
本文ではひらがな振っていなかったので、ふってほしかったです(笑)
プロフィール

藤中

Author:藤中
好きな作家は、
F・ポール・ウィルスン。
他にスティーヴン・キング、ブレイク・クラウチ、ジョージ・R・R・マーティン、伊坂幸太郎、近藤史恵、島田荘司などをよく読んでいます。
たまに映画関連、海外ドラマ関連、KinKi Kids関連の投稿があるので、
気をつけてください。

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