〈はぶらし〉近藤史恵

最近、はずれがない近藤史恵って感じだけれど、今回のタイトル「はぶらし」には、ん?(笑)
自転車ロードレースやランジェリーショップと果敢に目新しいことにチャレンジしているのだけれど、今度は「はぶらし」かよ~と思って(笑)、図書館からやってきたときもあまり期待してなかったのだけれど、これは「はぶらし」を描いた小説ではなく(あたりまえか(笑))、心理描写としての小道具「はぶらし」だった。
こういった細かいもので、人間の性格を表してしまうところに、近藤史恵のワザがあるのかも。。。

ある日かかってきた電話は高校時代の友人、水絵からのものだった。
脚本家の鈴音は、逢いに行ったファミリーレストランで、子連れの水絵に泣きつかれる。
仕事をリストラされて、住む場所もないというのだ。
しかたなしに、鈴音は1週間だけ泊める約束をしてしまうのだが。。。

で、タイトルの「はぶらし」は、着の身着のままやってきた水絵とその息子に貸した2本のはぶらし。
次の日、新品を買ってきて返すのだけれど、使ったほうの2本を返したことから、「新品を返すものとばかり」思っていた鈴音は、もしかしたら、泊めないで突き放せばよかったのかも、と思うシーン。
この部分、なんともこれからの展開の不穏な雰囲気が感じとれて、読み手も不穏な感じに突き落とされます(笑)
じわじわと高校時代の水絵の悪い癖のことを思い出しながら、それでも追い出すことが出来ないでいる鈴音に、読み手は「早く追い出してしまえばいいのに」「それに貯金とか確認しなくて大丈夫か~」とハラハラしながら、1日で一気読み。
そうか。
こういったところも著者の企みだったのか!(笑)
でも、もうちょっと水絵に毒があった方が良かったかもしれない。
あと息子にも。。。

幻冬舎 2012年9月発行 ★★★☆
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コメントの投稿

Secre

No title

使用済みのはぶらしを返されてもね~ 掃除にでも使うしか…
タイトルにしてしまうほど根に持つ気持ちもわからないでもないです(笑)

No title

びぎRさん。そういったことをする人間と関わらなくてはならないというのが、この小説の落としどころですからね。はぶらしでその人間の性格を表すのはワザかも。。。(笑)

No title

お~~~、面白そうですね。どんなハラハラかきになります。
図書館でチェックしてみます!

No title

Puffさん。ハラハラは完全に著者の企みだったのかも。。。
なかなか面白いのでお薦めです。

No title

近藤史恵さん、ここで何回か?紹介されてるので気になってた作家さんです。この作品もまた面白そうですね!
新年早々、図書館で近藤史恵借りてみます^^

No title

るるさん。近藤史恵さんなら、自転車ロードレースを描いたサクリファイスが傑作です。自転車ロードレースがわからなくても読ませます。どのシリーズでも読者を読ませることにたけた作家さんだと思います。
プロフィール

藤中

Author:藤中
好きな作家は、
F・ポール・ウィルスン。
他にスティーヴン・キング、ブレイク・クラウチ、ジョージ・R・R・マーティン、伊坂幸太郎、近藤史恵、島田荘司などをよく読んでいます。
たまに映画関連、海外ドラマ関連、KinKi Kids関連の投稿があるので、
気をつけてください。

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