〈天使のゲーム上・下〉カルロス・ルイス・サフォン

前作「風の影」に続いて《忘れられた本の墓場》が登場する第2弾。
「風の影」がなかなか面白かっただけに第2弾ともなると心配な面もあったのですが、そういった心配はまずまずクリアといったところでしょうか。。。

1917年のバルセロナ。
新聞社で雑用として働いていたダビッドは、新聞に短編小説を書く機会を与えられ、そのことで小説家として自立することになる。
ある日、謎の編集者アンドレアス・コレッリから、高額の報酬と望むものを与える代わりに、ある作品を書いてくれと依頼される。
そんなとき、ダビッドは忘れられた本の墓場で一冊の本を手にとる。
どうやらその本は、ダビッドが住む、いわくありげな「塔の館」で書かれたものらしいのだが。。。

前作「風の影」と同じく、本の墓場で手にした本の作者と自分の行動が似たような経緯を辿るという、ある種のパターンが見られたのだけれど、謎の編集者を配したせいか、それがワンパターンに陥っていないところにワザを感じました。
上巻はあまり謎らしい謎がなく、ゆるいロマンス小説?といった感じだったけれど、下巻の終盤にすべてのことが否定されるくだりには、えっ、これって、もしかして、オカルト落ちか~と。
そういえば、今回、忘れられた本の墓場の雰囲気もなんとなくオカルトっぽかったし(笑)、展開も全体的にオカルトが入っていたし。。。(笑)
この雰囲気は、「屋根裏部屋の花たち」とかを書いたV.Cアンドリュースの男版といった感じがいちばんしっくりくるかも。
あいかわらず、これでもかこれでもかと謎を引くラストは見事なのだけれど、死人がいっぱい出たわりには無駄死にのような気もしなくない。
いろいろと疑問が残るというか消化不良なラストかも。
ま、「風の影」と完璧につながる場面は読んでいて、にんまりしたけれど。

集英社文庫 2012年7月発行 ★★★☆
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コメントの投稿

Secre

No title

最初は新鮮だけどシリーズ化しちゃうと二回目からパターン化し、藤中さんには物足りない? 
私はパターン化が安心して読めるときがあります

No title

タヌキさん。シリーズ化は2作目が試されることでもあるので、書く方も難しいのかもしれないです。でもだいたいは1作目で書ききってしまっている方が多いかも。

No title

その疑問が次回作に続くというオチかもしれません。
連作シリーズは、消化不良な部分を残しつつ連作全体で解決していく感じなのでしょうか。それともキングがよく漬かっていたホワイトキャッスルだったっけ、思い出した、キャッスルロックのように架空の街を舞台にした様々な人間ドラマを何冊かに分けて書くようなものかな。主人公が同じなのかな。

No title

ノベルさん。シリーズといっても、主役級のキャラが総入れ替えという展開なので、そこそこは新鮮味がありますけれど、ただ展開とオチに意外性がなかったように思います。

No title

こんばんは☆
本の墓場と聞いただけでなんだか怖い感じがします。私には読めないかも^^;

No title

Puffさん。本の墓場は何やらホラーまじりの場所のようで、何かが住んでいそうな気配です。気をつけてください。。。
プロフィール

藤中

Author:藤中
好きな作家は、
F・ポール・ウィルスン。
他にスティーヴン・キング、ブレイク・クラウチ、ジョージ・R・R・マーティン、伊坂幸太郎、近藤史恵、島田荘司などをよく読んでいます。
たまに映画関連、海外ドラマ関連、KinKi Kids関連の投稿があるので、
気をつけてください。

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