〈マルセル〉高樹のぶ子

原田マハの絵画もの「楽園のカンヴァス」がなかなかよかったので、ロートレックの名画もののこの作品にもチャレンジしてみようと図書館予約に並んでみました。
そういえば高樹さんはこの本がミステリー初挑戦とのことのようです。

死んだ父親が遺した取材ノートに詳細に書かれていた「マルセル盗難事件」
父親はなぜこの事件を長年追い続けていたのか?
新聞記者の千晶はこの事件を追ううちに意外な事実が見えてくる。。。

私は知らなかったのだけれど、「マルセル盗難事件」というのは、未解決の実在の事件だそうで、あの「三億円事件」の年に起きたということらしい。
事件自体が、時効後に絵が戻ってきたりと、不可思議な事件だったので、あれこれと著者が犯人像を巡らせたのもうなずけるかも。
ただ恋愛小説の作家さんなので、無理やりなロマンスがばっちり入って(笑)、ここのところがミステリーとしてはいただけなかったかもしれない。
いきなりベッドインではなく(笑)、それとなく匂わすくらいでよかったような気もするし。。。
ここのところが原因でか、どうもキャラたちに入り込めなかったです。
こういうキャラクター的なものは、あくまでも無色透明なキャラを描く原田マハに軍配をあげたい。
ラストの解決、コーヒーに関する諸々のことはじつは。。。というのはなかなか面白いけれど、全体的には大掛かりになりすぎてちょっと無理がある感じがする。
でもそこに至るまではけっこう楽しめたので、これで良しとします。

毎日新聞社 2012年3月発行 ★★★☆

http://ecx.images-amazon.com/images/I/51dbiJ%2BFPuL._SL75_.jpgマルセル
読了日:06月30日 著者:高樹 のぶ子

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Secre

No title

原田さんってあの妹さんだったんですね。あの人のはおもしろい。前にちょこちょこ読んでいました。ならOKですね←僕は感覚で決める人間。
ウィキで調べたら、時効が成立した盗難事件ですが、見つかったようですね。。犯人も不明動機も不明。なるほどねえ。
ジャンルを変えても傾向はでますねやはり。。

No title

ノベルさん。原田マハのお兄さんのほうも面白いものを書くんでしょうね。兄妹だから似たような傾向なのかも。。。ちなみにこの〈マルセル〉は原田さんではなく、高樹のぶ子さんですが。。。

No title

実際に美術館から絵が盗まれるなんてことあるんですね~
ルパンとか怪人二十面相とかの中だけの話だと思っていました。
無理やりなロマンスは作者の常連さんのためには外せないんでしょうね(笑)

No title

びぎRさん。フランスから貸してもらったのをやられてしまったのだから、当時、上の人はそうとう大変だったでしょうね。ロマンスもうまい具合に絡めたりすると、これが思わぬ傑作になるんですけれどね。

No title

こんばんは~☆
実在の事件なんですね。
無理やりなロマンスは邪魔かもしれませんね。でも読んでみたいです。

No title

Puffさん。実在の事件を著者なりに推理してという展開は面白いけれど、無理やりロマンスが足を引っ張って、読んでいてやけに長さを感じました。

No title

なーるほど。ロマンスがメインの作家だから編集とか読者からの圧力もあったのかもしれませんね。藤中さんのレビューを読んだ限りでは短編向きの素材かもしれませんね。

No title

タバさん。ミステリ作家はロマンスよりもミステリ寄りが好きみたいだし、ロマンス作家はやはりミステリよりもロマンス寄りに、ですから、ロマンスとミステリを両立できる作家って希少なのかも。。。

No title

あ、言葉足らずでしたね笑
「ウィキで調べたら、~」以後は高樹のぶ子のほうです。
混在させると誤解を招きますね。以後気をつけます。

マハの兄は原田宗典です。「どこにもない短編集」はおもしろいですよ。ほんとにどこにもない小説。変わってる。おすすめ笑。
彼は小説家という言葉を嫌っているようです。僕も賛成。物書きという言葉を彼は使うみたい。なかには小説家ではなく自ら「大説家」という人もいるらしい。よくわかりません。自称だろう。

No title

ノベルさん。そうでしたか。。。てっきりマハさんと勘違いしているものだと思いました。。。
プロフィール

藤中

Author:藤中
好きな作家は、
F・ポール・ウィルスン。
他にスティーヴン・キング、ブレイク・クラウチ、ジョージ・R・R・マーティン、伊坂幸太郎、近藤史恵、島田荘司などをよく読んでいます。
たまに映画関連、海外ドラマ関連、KinKi Kids関連の投稿があるので、
気をつけてください。

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