〈ユゴーの不思議な発明〉ブライアン・セルズニック

映画、ヒューゴーの不思議な発明の原作本。
映画タイトルと微妙に違うので、最初、図書館の新着に並んだときは気づかなかったほど。
なので、案外、楽々と予約が取れました。

1930年代のパリで、駅の時計の点検をしながら、秘密の部屋に隠れ住む少年ユゴーは、ある日、駅構内の小さなおもちゃ屋でぜんまい仕掛けのおもちゃを盗もうとしたところを、店主の老人に見つかってしまう。
ユゴーは持ち物すべてを老人に差し出すはめになり、大切なノートまでも取り上げられてしまう。
それは生前、時計職人だった父親が直していた、からくり人形が詳細に描かれたノートだった。
老人と一緒に住む謎めいた少女イザベルは、ノートを取り返してあげるとユゴーに言うのだが。。。

文庫本だったので、小説だろうとページを開いてみてびっくり、文章よりイラストのほうが多い。。。
もしや、これって絵本だったのかも。
どうりで見開きが逆だと思った。
でも読んでいくうちにイラストと文章が絶妙によくて、この時代の雰囲気がほとばしり出ている(笑)という印象をもちました。
謎のからくり人形に、おもちゃ屋の老人の関係と、謎的にはだいたいわかってしまうのだけれど、このイラスト+文章という組み合わせで、やけに読ませる話になっている。
タイトルのユゴーの不思議な発明は、ぜんぜんユゴーの発明じゃないと思っていたのだけど、最後にユゴーの発明だったんだとわかるところがあって、ここにこの作品の仕掛けがあったのか、と。
映画のほうは観ていないけれど、これは本にしかできない仕掛けなので、たぶん映画の結末は違うものなのではないかと想像します。
しかしジョルジュ・メリエスって実在の映画監督だったんですね。
からくり人形は実際には博物館に寄贈して忘れ去られて捨てられたらしく、それを著者がこの作品に仕立て上げたみたいです。
メリエスのではないけれど、実際に4種の絵と3つ詩を書く、からくり人形が1929年ごろにあったみたいで、不思議な発明だと思ったけれど、ちゃんとあったんだと驚き。
あっ、でも、ユゴーの不思議な発明は、かなり不思議な発明だと思います。。。

新潮社 2012年2月発行 ★★★☆

http://ecx.images-amazon.com/images/I/41G2bVz06WL._SL75_.jpgユゴーの不思議な発明(文庫) (アスペクト文庫)
読了日:04月21日 著者:ブライアン セルズニック

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Secre

No title

映画の方では人形がメリエスのアイデアをどんどん描いていくところがファンタジックに演出されていてなかなか良かったんですよ。
そういえばラストに「これはユゴーが作ってくれたんだよ」という機械が出てたけど・・・ユゴーの発明とイラストに興味が出てきました。

No title

めにいさん。その場面はいったいどんな絵になるのかワクワクといった感じでしょうね。
なるほど、ラストに。。。原作との関連性はなんとなくわかりました。。。(笑)

No title

ユゴーの不思議な発明は、かなり不思議な発明,,,ですか。図書館でチェックしてみようかしら^^

No title

文庫ですか?!イラスト満載の!!絵物語的な感じでしょうか?凄く見たくなりました。かなり興味あります。

No title

Puffさん。かなり不思議で凄い仕掛けなので、読んで体験してみてください。。。

No title

タバさん。鉛筆で描いたような感じの絵ですが、かなり緻密に描かれています。イラスト、たまに漫画風な感じで面白いです。

No title

そもそもなぜ盗む気になったんでしょう。まさか物凄く高価なおもちゃだったとか。

でもまあ、女の子と出逢うきっかけになったのはらっきー・・・?

No title

イカダさん。お父さんが死んでしまって、親戚のおじさんが引き取って駅の時計の点検をさせてこき使っているという設定で、数週間前からおじさんが呑んだくれて行方不明になってしまって食えてないようです。まあ、女の子と出逢えて、らっきーというところでしょう。。。

No title

うわ、そうだ、チェックしてたのに忘れてた~;;映画観てない~
まだ間に合うかなぁ(>_<)
原作本もかなりおもしろそうですね!絵本大好きなので読んでみたくなりました。

No title

るるさん。都市部ではまだ上映しているようです。なかなか評判がよさそうなので、レンタルされたら観てみようと思います。原作本も絵本のような漫画のコマの動きのような、ちょっと新鮮な感じです。

No title

「本にしかできない仕掛け」が気になりますね~
この仕掛けがどうなのかはわかりませんが、紙の本ならではの、ってのがあれば電子書籍や他のメディアに対する優位性になりそうな気がします。

No title

びぎRさん。電子書籍でも違和感なく出来そうだけれど、やっぱり紙のほうが説得力があるかもしれない。なので、本ということに、こだわった仕掛けであることは確かです。

No title

京都の錦天神に、獅子舞のからくり人形があります。おみくじをくわえて渡してくれますよ笑 他にもお茶運び人形が日本では有名ですね。どんなカラクリ人形なのか興味しんしんです。。映画監督の小説絵本?笑。いろいろなタイプの本があるんですね。これは映画化を意図して作られているのかな?

No title

ノベルさん。なんかそういった人形ってありましたね。いろいろと仕掛けのある人形ってどうやって作るのか不思議ですが、この本に出てきたからくり人形もなかなか不思議です。映画化はされています。映画題名は「ヒューゴの不思議な発明」です。
プロフィール

藤中

Author:藤中
好きな作家は、
F・ポール・ウィルスン。
他にスティーヴン・キング、ブレイク・クラウチ、ジョージ・R・R・マーティン、伊坂幸太郎、近藤史恵、島田荘司などをよく読んでいます。
たまに映画関連、海外ドラマ関連、KinKi Kids関連の投稿があるので、
気をつけてください。

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