〈二流小説家〉デイヴィッド・ゴードン

2011年度の海外ミステリベストの1位を独占した作品なので、とりあえず読んでみるかと思って図書館予約した本です。
私が予約したときは8人しか並んでいなかったのだけれど、いまでは59人が並んでいて、おののきました。。。

ハリーはポルノまがいのヴァンパイア小説や冴えないミステリー、SFをすべて別名で書いている中年作家。
あるとき、死刑を待つばかりの連続殺人犯から、告白本を執筆しないかと依頼される。
かねてより、作家としてちゃんとした仕事をしたいと思っていたハリーは殺人鬼に会いに刑務所へと向かうのだが。。。

さすが、去年の海外ミステリー1位を独占しただけあって、語りが上手いです。
二流小説家ということで、流行りのヴァンパイア小説を女性名義で書いたり(女装して著者写真を撮ったり(笑))、恋愛相談コラムの筆名が「アバズレ調教師」(訳した方、ナイス(笑))だったりと、事件の背景というか、主人公の状況が面白くて。。。
別名義で書いた、ヴァンパイア小説やミステリー、SFなども、事件の間に割り込ませたりして(またそれがけっこう面白い)、なかなか楽しめました。
展開も考えたものになっていて、意外性もあったし。。。
翻訳ものってサクサクと読めないものが多いんですが、この作品にかぎっては訳した方が上手いのか、それとも著者が上手いのか、サクサク面白く読めたのが何よりもよかったです。
しいていえばラスト、犯人の独白など、ダラダラ感があったのがちょっとという感じでした。
なので、そのあとにまだどんでん返しが待っていたのに、このダラダラでそれほど驚きがなかったのが残念。。。
どうやら私の中では、もういいよ、てな感じになってしまったようで(笑)、ダラダラしないで一気にどんでん返しをやってくれたらよかったのにと思いました。
でも、ま、新人さんの作品としては、これ以上ないほどよい出来だと思います。
ラストの着地点が上手くいっていたら、もっとよかったのにと思うけど。

早川書店 2011年3月発行 ★★★☆

http://ecx.images-amazon.com/images/I/41p9AL3ZMBL._SL75_.jpg二流小説家 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)
読了日:03月10日 著者:デイヴィッド・ゴードン

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Secre

No title

藤中さんこんにちは。この小説読んだばかりでまだ記事にしていないのですが、私は最後があまりにグロくて参ってしまいました。自分が、グロ耐性がないことに初めて(笑)気がつきました。テレビや映画は眼を背けることができるのですが、小説では眼を背けることができない!

No title

異邦の騎士さん。私は逆にグロはあまり気にならなかったかも。。。もっとグロい小説を読んでいるので。。。(笑) 私は小説に関しては、グロ耐性があるのかもしれないですが、映画とかテレビなど眼に見えるグロは逆にダメかもしれないです。

No title

タイトルが一流小説家だったら、もしかすると名作に仕上がっていたかも。

No title

こちらの図書館では70人以上の予約が入っているので、しばらく様子見ですね。海外モノは翻訳の良しあしがかなり評価に関係するので、翻訳者も大変ですよね。

No title

イカダさん。タイトルではそうかもしれないですね。でもどちかというと一流小説家よりは、二流小説家のほうが小説にしやすいかもしれません。。。

No title

めにいさん。やはりミステリベスト1位というのは、かなり恩恵があるようです。良い作品と言われて読んで、首を傾げたくなることがありますから、翻訳者って大切なんでしょうね。

No title

こんばんは~☆
そんな人気の作品なんですね^^
図書館でチェックしてみます!

No title

Puffさん。深夜に出没、ご苦労様です。。。
さすが人気の本だけあって読みやすくて面白いです。翻訳者の方も上手いのでしょう。

No title

二流小説家の状況は作者本人の経験によるところも多いんでしょうね~(笑)
二流小説家に告白本を依頼した殺人鬼の意図が物語のポイントなんでしょうね?
ちなみに、うちの図書館では37人待ちでした。

No title

びぎRさん。そうそう。なぜ告白本を書かせようとしたかというのがポイントです。上手い具合に読み手の裏をかいたという感じですね。あっと。なるほど。この本がデビュー作というから、経験が入っていたんでしょうね。どうりでリアルだったはずだ。。。(笑)

No title

哲学書ばかりですが、
図書館で本は借りますよ。
ネットで延長手続きします。
延滞していたら、必ずメールがきます笑
しょっちゅう。
今はホワイトヘッド、ラッセルを読んでいますが
記事にある59人はすごいですね!
哲学本では絶対にありえない。
お勧めはウィトゲンシュタインの「論理哲学論考」と
サルトルの「存在と無」です。
軽い読み物に疲れたら、ぜひどうぞ。
頭の体操になります。非常に難解ですが。

ゴーストライターをみずからばらす告白本を死刑囚から薦められるわけですね。笑 おもしろい設定。そういえばデンマークのキルケゴールは生前全著作をアンチクリスマスなどの偽名で出版しました。偽名は、非常に心境が複雑ですね。。

No title

novel1dayさん。哲学書は若い頃に読んでいたので、もういいやという感じです。最近では歳のせいか、難しい本は受け付けなくなっています。。。(笑)

No title

犯人の独白など、ダラダラ感があったのがちょっとという感じでした。う~む。とても参考になりました^^;

No title

タバさん。引いて引いて引きまくる力があればいいのだけれど、新人さんだからそこのところがないのが残念でした。タバさんは何とか力で引きまくってください。。。(笑)
プロフィール

藤中

Author:藤中
好きな作家は、
F・ポール・ウィルスン。
他にスティーヴン・キング、ブレイク・クラウチ、ジョージ・R・R・マーティン、伊坂幸太郎、近藤史恵、島田荘司などをよく読んでいます。
たまに映画関連、海外ドラマ関連、KinKi Kids関連の投稿があるので、
気をつけてください。

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