〈時の地図上・下〉フェリクス・J・パルマ

書評に「タイムトラベルものにまだこの手があった」と書かれてあったのを目に留めて、図書館予約を取ってみました。
タイムトラベルものの割には、背表紙が白色なので(SFだと青色)、おや、とか思っていたんですが、読んでみて、なるほど、これは白色にしておいたほうが賢明だと思いました(笑)

1896年のロンドンで愛する人を切り裂きジャックに殺され、生きる希望を失った大富豪の息子アンドリューは自らも自殺しようとしていた。
けれども友人チャールズに止められる。
チャールズは昨日、タイムトラベルツアーに参加して2000年の未来に行ってきたのだという。
時代はH・G・ウェルズの「タイム・マシン」の話題で真っ盛り。
チャールズは過去に戻って恋人を切り裂きジャックから救えるのではないかとアンドリューに提案するのだったが。。。

上巻はH・G・ウェルズやエレファントマンといった、あまりタイムトラベルには関係がないような記述にページを割きすぎたりと、ちょっと焦点が合っていないような感じで退屈な部分もあった。
なので、おそらくはこの小説の要の部分である、こう来ましたか的なものが、あまりこちらに響かなくて、ある意味、これも新しいタイムマシンもののカタチではあるけれど、下巻もこんな感じなら、ちょっとSF的な興味で読むのは面白くないなと思っていたら、最後の最後でちゃんとしたタイムマシンネタが。。。(笑)
これは意外性を狙ったのだろうけれど、欲を言えば最初からこちらの方を突き詰めて欲しかったかも。
こちらのタイムマシンネタは新しいし面白いと思うので。
でも全体的なタイムトラベルとしての話は直球ではなく、変化球っぽい。
チョコレートを食べていたら、途中でココアになっていたみたいな。。。(笑)

ハヤカワ文庫 2010年10月発行 ★★★

http://ecx.images-amazon.com/images/I/51qlqPjJ7AL._SL75_.jpg時の地図 上 (ハヤカワ文庫 NV ハ 30-1)
読了日:02月12日 著者:フェリクス J.パルマ
http://ecx.images-amazon.com/images/I/5155BP27I9L._SL75_.jpg時の地図 下 (ハヤカワ文庫 NV ハ 30-2)
読了日:02月13日 著者:フェリクス J.パルマ

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Secre

No title

タイムとラベルものとしては、ひねくれているなあと思いましたけど、ウェルズと切り裂きジャックとが同時代だったんだなど新発見もありました。

No title

タイムマシンのようなさまざまな作品で使われているものは、作品に使うときはひねらないと面白みにかけるのでしょうから、考えるほうも大変でしょうね

No title

めにいさん。ちょっとひねくれすぎて驚きが薄れたような気もしました。もう少しストレートにやったほうが面白かったのに、と。でもある意味この時代をうまく取り入れていましたね。

No title

タヌキさん。ひねりすぎて驚きに欠けた感じもしました。いろいろと、内容をてんこ盛りすぎたのか、なにか焦点が合わないもどかしさみたいなものがあったもので。。。

No title

そう言えば何かの映画でありましたね。恋人を救おうと何度も過去へ飛ぶ話、何回やっても同じ時刻にかならず死ぬ彼女に、繰り返し心引き裂かれると言うネタだったけど(なんてタイトルだったっけ??)

タイムアフタータイムでは切り裂きジャックとウエルズが直接対決でしたね。

No title

イカダさん。何度やっても死は防ぎようもないってやつですね。なんか観たことあるような感じですけれど、すみません、私も思い出せません。。。
その映画でも切り裂きジャックとウエルズが対決していましたか。未見ですけれど、なかなか面白そうな話ですね。

No title

タイムマシンが1896年に実在するって設定なんでしょうか?
「昨日、タイムトラベルツアーに…」ってのがなんとも不思議な感じです。
タイムトラベルしてる間に元の世界では時間が経つのか?とか考えちゃいます。

No title

こんばんは♪
タイムトラベルですか^^面白そうですね。
過去に戻って恋人を切り裂きジャックから救えるのでしょうか???
ほほほ、ポチ!

No title

びぎRさん。タイムマシンネタ自体に仕掛けがあるので、おそらくはこの時代だからこそ、それがいちばんうってつけなのかもしれません。この小説では、タイムトラベルしている間は時間が止まって、帰ってくるとその分だけ時間が進んでいるという設定です。

No title

Puffさん。タイムトラベルものの変化球ですけれど、なかなか良く考えたものになっています。過去に行って恋人を救っても実は。。。という設定は面白いです。
プロフィール

藤中

Author:藤中
好きな作家は
F・ポール・ウィルスン。
他にスティーヴン・キング、ブレイク・クラウチ、ジョージ・R・R・マーティン、伊坂幸太郎、近藤史恵、島田荘司をよく読んでいます。
たまに映画関連、海外ドラマ関連、KinKi Kids関連の投稿があるので、
気をつけてください。

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