〈長い廊下がある家〉有栖川有栖

臨床犯罪学者の火村英生と作家の有栖川有栖が活躍するシリーズ。
このシリーズもけっこう息が長いですね。
この作品でようやく気づいたんですけれど、2人とも、いつのまにか私より年下になっているし。。。(笑)

長い廊下がある家
過疎化が進んだ限界集落を卒論のテーマにしようと、英都大学の日比野はフィールドワークをしている最中に山中で道に迷ってしまう。
ようやく行き当たった一軒家に光が灯っているのに気づいた日比野は助けを求める。
が、その家にはオカルト雑誌で有名な『ブラック&ホワイト』の取材班がいた。
どうやらこの家は出るらしく、心霊写真を撮りにきたというのだ。
地下にある長い廊下がそのポイントだという。。。

なるほど、と考えたトリックになっている。
しかも火村のからめかたとして、教え子が巻き込まれた事件というのが目新しい。

雪と金婚式
雪の金婚式を迎えた老夫婦。幸せいっぱいの2人だったが、唯一気になることは、離れに住む義弟のことだった。
義弟はいろいろと問題を起こして、厄介者。
その義弟が、金婚式の夜に何者かに殺されてしまった。。。

犯人当ては単純なんですが、記憶を失った老人がなぜそれとわかったのかに焦点を当てたのが面白いです。

天空の眼
心霊写真を受け取った男が他人の家の屋上から転落死してしまう。
はたして事故か他殺なのか?
日頃からいい争いをしていた大学の友人が疑われるが、彼はアメリカ旅行に行っていたというアリバイがあった。。。

アリス単独推理だけれど、めずらしく?当たってしまい、小説ネタにできないオチがいいかも。

ロジカル・デスゲーム
余命いくばくもない、顔見知りの知人の父親から、昔起きた心中事件の真相を聞こうと、家を訪ねる火村英生。
じつはこれがデスゲームの始まりだった。。。

3つのグラスのうち1つに毒がという展開で、それを選ぶデスゲームを逃れようとしてのあのワザは私もすぐに思いついた。
けど、残ったグラスに毒が入っている確率については、最初、ん?という感じだったけれど、100のグラスで考えてみると妙に腑に落ちた。
これが確率論の〈モンティ・ホールの問題〉なんだそう。。。
腑に落ちないけれど、妙に納得してしまう、不思議な確率論ですね。

このシリーズは長いせいか途中、妙にマンネリっぽくなったような気がしていたけれど、〈妃は船を沈める〉や、この短篇を読むかぎりでは、それも払拭されたといった感じです。
今回はとくに、雪の金婚式ロジカル・デスゲームが面白かったです。

光文社 2010年11月発行 ★★★☆

http://ecx.images-amazon.com/images/I/41SK5OPMRIL._SL75_.jpg長い廊下がある家
読了日:01月22日 著者:有栖川有栖



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Secre

No title

長い作品ってどうしてもキャラクター年齢がだんだん自分と離れますね
ポイっ!って中学生が主人公の漫画がありまして、私が中学生の時に読み出したんですけど、去年やっと主人公が中学卒業しました

No title

タヌキさん。漫画の時間の進み方だと歳をとらなくていいですね~(笑)
この作品は先にぜんぜん進んでいないので(たしか)、なかばサザエさん状態かもしれません。

No title

週刊マンガは一週間に数分の出来事しか起きないですからね。そのうち読者が離れてしまったりして。

『忍たま』なんて30年くらい続いてるらしいですね。

No title

イカダさん。週刊マンガってたしかにページ数が少ないから、そんな感じですね。
忍たまってそんなに続いていたんですか。ドラえもんとかと、はりますね~

No title

〈モンティ・ホールの問題〉はミステリーに使うのにはいいネタかもしれませんね。
直感に反するのでなかなか納得しづらいですけど。

No title

何年も続いてる短編集と言うのはある意味凄い事ですよねぇ・・・。それだけネタの引き出しがあるって事ですもんね。

No title

びぎRさん。そういえばニュートンで取り上げていましたね。すっかり忘れていました(笑)
完全に理解していれば、たしかにミステリーにはうってつけのネタですね。

No title

タバさん。私の記憶が正しいなら(笑)19年くらいは続いているんじゃないでしょうか。
かなり息が長いですね。それだけ愛着があるのかも。

No title

どれも面白そうですね^^
最近古本屋を見ているので、あったら(確かありました)買ってみます☆ポチ!

No title

どれも初心者にはうってつけの面白さです。
まだ新刊なので並ぶのはもう少ししてからでょうか。でも最近はネット社会なので早いですからね。
プロフィール

藤中

Author:藤中
好きな作家は、
F・ポール・ウィルスン。
他にスティーヴン・キング、ブレイク・クラウチ、ジョージ・R・R・マーティン、伊坂幸太郎、近藤史恵、島田荘司などをよく読んでいます。
たまに映画関連、海外ドラマ関連、KinKi Kids関連の投稿があるので、
気をつけてください。

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