〈月と蟹〉道尾秀介

最近は直木賞候補になったりしているからか、ミステリよりも純文学がかった感じの作品が多いですけれど、人間──というか少年の描き方に、いや~んな感情(笑)が先走ってしまって、私のなかでは、どうにも読むのを敬遠したくなるタイプの作家に成り果ててしまっています(笑)
でも、まあ「カラスの親指」あたりのアッと驚く仕掛けをいつかはやってくれるのではと期待しつつ、こりずに予約を取ってしまうんですが。。。

鎌倉に程近い海辺の街に越してきた慎一は父親を亡くし、祖父と母親の3人暮らし。
祖父は、しらす漁でフェリーと衝突して海に投げ出され、左足をスクリューに切断され漁師をやめた。
しかもその船には、しらすの生態を調べるために、同級生の鳴海の母親である大学の研究生が乗っており、そちらは帰らぬ人になってしまう。
なので慎一は小学校では「人殺しの孫」と苛められ、大阪から転向してきた春也以外はクラス全員に無視されていた。
いつしか春也と慎一は放課後に一緒に遊ぶようになる。
あるとき、遊び半分にヤドカリを火であぶり神様にして願をかけたところ、その願いが叶ってしまう。。。

舞台が鎌倉近辺ということで、話よりも、ここってどこら辺りを描いているのかを想像するのが面白かったです。
でも、道尾氏はたぶん鎌倉近辺には住んでいないと思うので、いくつかの矛盾があることはありますが。。。
文中に出てきた建長寺の裏山の十王岩のエピソード。
じつは私は建長寺に入ったことがないので、そういった噂があるのかどうかわからないのですが(金がかかるところは入らないもので。。。(笑))、この本を読んで無性に行ってみたくなりました。
たしか1月1日は拝観料が無料らしいので、来年辺りチラリと入って来ようかなと思っていますが、いま調べたら、天園ハイキングコースに入ったところらしいので、案外、知らずに通り過ごしていたのかも。。。
今回のこの作品は読みやすいし、少年のいや~んな感情も先走っていなかったので、それだけで良かったと思う。
でも、なんとなくミステリ面では物足りなさがあるのも否めないかも。。。

講談社 2010年9月発行 ★★★

http://ecx.images-amazon.com/images/I/51-jm%2BI0ITL._SL75_.jpg月と蟹
読了日:11月07日 著者:道尾秀介




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Secre

No title

いったい何匹のヤドカリが犠牲になったんでしょう。

二度目三度目も成功して何でも思いのままになったら、その二人が将来どんな大人になるかも心配になってきます。

No title

ヤドカリを燃やして願いを。。。というのは、じつは少年が。。。という展開ですね。なので、かなりのヤドカリが犠牲になった模様です(笑) これも少年時代の過ちと、文学ではなってしまいそうです。。。

No title

あいかわらず、藤中さんの鎌倉指摘は厳しい
でも知っているところが舞台だと想像しやすいですね
私も基本、お金がかかるところは入らないので、まだ見知らぬところは色々とありそうです。

No title

ちょっとの描写でここら辺の土地だと思っていたら、違うところだったりと、どうも変に矛盾があるんです。漁船がフェリーと衝突、とかも、ここいら辺はフェリー、通ってないよ、とか(笑) 私、あと、アジサイが名所の成就院に入っていないかも。

No title

最終的には純文学というのが作家にはあるんでしょうかね~?
ミステリ面で物足りないとちょっと残念ですが…

「遊び半分にヤドカリを火であぶり」…子供って残酷です。
でも私も似たようなことやりました。アリの巣に爆竹とか(笑)

No title

ちょっと賞というか、直木賞を意識しているのがみえみえなところがイヤなところですけれど。。。ミステリだってとっているのだから、もうちょっと真っ向勝負してもらいたいです。
アリの巣に爆竹ですか。私はアリの巣に水攻めしたことがあります。両方ともアリにとっては迷惑でしたね~(笑)

No title

なるほど~~、、、直木賞候補だったんですね^^
道尾氏が鎌倉近辺に住んでいないことまで読み解きましたか(笑
私も1/1の無料の日に訪れてみたいです☆ポチ!この本を読んで殻のほうがいいですね(^^;

No title

これも直木賞候補狙いっぽいです。しかも出版社が文藝春秋なので、今回かなり狙えるかもしれません。直木賞を主催しているのが文藝春秋なので。。。
1月1日はぜひとも無料で建長寺へ。。。(笑)

No title

ごぶさたです。道尾秀介の作品は結構好きなのですが、この作品はちょっとそれまでの作品とは少し異質な感じがして、私はいまいちでした。

No title

ミッチロセブンさん。最近の作品はこういった純文学寄りのが多いですね。個人的には、道尾秀介らしくもうちょっとミステリを意識してほしい感じです。
プロフィール

藤中

Author:藤中
好きな作家は、
F・ポール・ウィルスン。
他にスティーヴン・キング、ブレイク・クラウチ、ジョージ・R・R・マーティン、伊坂幸太郎、近藤史恵、島田荘司などをよく読んでいます。
たまに映画関連、海外ドラマ関連、KinKi Kids関連の投稿があるので、
気をつけてください。

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