〈ハンターズ・ラン〉ジョージ・R・R・マーティンほか

ジョージ・R・R・マーティンって、けっこう競作ものが多いような気がするけれど、これも3人の作家による競作です。
書き出しはガードナー・ドゾワで、それをついで書いたのが、ジョージ・R・R・マーティン、そしてその間、しばらく年月が経って、最終的にはダニエル・エイブラハムへと原稿が回されて、完成したらしい。
そんなわけだから、ちょっと読む前は心配でしたが、なかなか読ませて、しかも技ありのSFに仕上がったようです。

探鉱師ラモンはまだ未開部分が多く残る移民星サン・パウロのバーで酔った勢いで喧嘩し、エウロパ大使を殺してしまう。
人跡未踏の僻地である北部に逃げ込んでしばらくほとぼり冷めるまで息を潜めていようと思っていた矢先、謎の異種属と遭遇し、逃走の果てに捕まってしまう。
しかもラモンと同じく異種属と遭遇して、逃げた人間がいるらしい。
ラモンはその人間を捕らえる手先として、異種属の一体、マネックに、つなぎひもで繋がれながらも、追跡することになるのだが。。。

最初はただ単に、追われる者と追う者の話だと思っていたら、途中、SFならではの仕掛けがほどこされていて、びっくり。
なるほど、そういうことだったのか、と、それまでの伏線が見事に解明されて、追う者追われる者の構造が複雑に絡んできて、先の読めない展開です。
この小説は3人の競作なんですが、何の違和感もないし、破綻もなく、こういった仕掛けもののSFを書いたのは、ただただ、すごいな、と。
しかもラストもちょっとした感動ものに仕上がっているし。
私は途中がつまらなくても(笑)、終わりよければすべてが許せてしまう人なんですが、これは途中の展開も面白いし、しかも、あとは読者の想像に託す、ラストもいいです。
海外SFはどちらかというと、難解な話が多くて、私なんかはついてけないのが多いような気がするけれど、この小説はそんな私でもワクワクできて、サクサク読めました。
これはSFだけれど、驚愕の仕掛けで、年末のミステリー10の海外部門にも入ってもおかしくない出来だと思う。

ハヤカワ文庫 2010年6月発行 ★★★★

http://ecx.images-amazon.com/images/I/51vNN6zU14L._SL75_.jpgハンターズ・ラン
読了日:10月08日 著者:ジョージ・R・R・マーティン




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Secre

No title

酔った勢いのケンカで探鉱師なんかに殺されるなんて。その大使は士道不覚悟ですね。外交官たるものもう少し注意深くないと。

それにしても異種族に捕虜にされたらイヤだろうなあ。

No title


本屋でみかけてましたが・・・、四★ならチェックしよう・・^^;

No title

イカダさん。探鉱師は地球からはるばる来たわいいけれど、何かの手違いで、ただ働きさせられたりと苦渋の日々を過ごして、かなり場数を踏んでいるみたいなので、いろいろなことがお手のものという設定です。異種属の捕虜は確かにイヤですけれど、そのことが逆にラストで感動を呼んでしまいます。

No title

toll-npcさん。本屋で見かけましたか。なかなかあっといわせる仕掛けありで、そのままレジに持っていくことをお薦めします。。。

No title

これ読みたい!!と思ったら、予約が31も入っているの。残念
かなり待たされる様子・・・

No title

ちょっと意表をついた展開で、なかなか楽しめました。
ちなみにうちの図書館は予約が2です(笑)

No title

SFならではの仕掛け、そしてサクサク読める、となると私も読んでみたいです~~(@@)
ポチ★!

No title

この仕掛けがこの本の落としどころとなっています。ちょっと驚きの仕掛けですよ。

No title

結局購入したのですが、面白かったので満足です(笑)。
びっくりした後、最後までどうなるのかずっと期待させてくれる所がさすがでしたね。

No title

購入されたんでしたか。私もコレクションするために購入しようかと思っています。ブックオフの500円券があるので(笑) あそこの部分はああくるとはぜんぜん思っていなかったので、なるほど、そうきたのかと思いました。
プロフィール

藤中

Author:藤中
好きな作家は、
F・ポール・ウィルスン。
他にスティーヴン・キング、ブレイク・クラウチ、ジョージ・R・R・マーティン、伊坂幸太郎、近藤史恵、島田荘司などをよく読んでいます。
たまに映画関連、海外ドラマ関連、KinKi Kids関連の投稿があるので、
気をつけてください。

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