〈カナダ金貨の謎〉有栖川有栖

国名シリーズも10冊となったようですが、国名シリーズといっても表題作だけで、あとのはただの国名でない短編だから、これを国名シリーズとしてひとくくりにしても良いのかどうか、ここのところ長年のもやもやなんですが。。。まあいいか(笑)

船長が死んだ夜
エア・キャット
カナダ金貨の謎
あるトリックの蹉跌
トロッコの行方

「船長が死んだ夜」は冒頭の火村英生の「魔が差したんだ。やっちまった」に、えっ、なにした、とおののき、実は〇〇だったに、な~んだ(笑)
「カナダ金貨の謎」は犯人視点での記述なので犯人探しではなく、どうやって犯行がバレるのかという面白さがあった。
「あるトリックの蹉跌」は火村英生と有栖川有栖の出会いが描かれている。ラストのあっと驚く結末にニヤリ。
「トロッコの行方」はトロッコ問題を状況に使った話。
トロッコ問題とは、暴走トロッコがこっちにくる。このままではかなり先にいる作業員5人が轢かれる(もちろん自分が声を出しても聞こえない) 自分の前には切り替えスイッチがあり切り替えることができるが、切り替えた先には1人の作業員がいる(もちろん自分の声は聞こえない)、という5人を犠牲にするか1人を犠牲にするか、という問題。
だいたいの人が切り替えて1人を犠牲にするほうを支持らしいけれど、たしかにそのほうが無難ですか。。。
私が本格推理に飽きてきたのかわからないけれど、全体的にこのシリーズ、読むのがスムーズにいかなくなってきた感じがする。。。

2019年9月発行 株式会社講談社 ★★★


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〈こうして誰もいなくなった〉有栖川有栖

作家生活30周年ということで〈有栖川小説の見本市〉と帯で謳われている本書だけれども、確かにミステリに限らずファンタジーぽいものからホラーものとか様々な短篇が楽しめるつくりになっている。
中でも、アリスが列車に乗って別の世界にさまよう「路線の国のアリス」は、著者の鉄道趣味が爆発したような作品で、そこに不思議な国のアリスな物語をはめこんでという著者が愉しんで描いたような作品で、読んでいるこっちまでもがなかなか楽しめた。
自殺志願者たちが行きつく先の「劇的な幕切れ」は、読み手の考えのもう一歩先を行っているところが意外性があった。
迷路で目覚めた女性が出口を探してという「出口を探して」は、「CUBE」な感じでこういったの好きにはたまらない話、ただオチが、ちょっと、ね、という感じだったけど、そこも普通にまとまらなくて良かったみたいな、なんとも不可思議な読後感を持つ話だった。
そして表題作の中長編といって良い「こうして誰もいなくなった」は、アガサ・クリスティの「そして誰もいなくなった」のパスティーシュのような話。
「そして誰もいなくなった」は有名な話だから(初めて読んだときはやられた感が凄まじかった)、これをヒントにこうも出来るという著者の挑戦的な感じかもしれない。
こちらも読み手の一歩先を行ったラストがなかなかでした。
ある意味、反則っぽい感じもするけどね。。。

2019年3月発行 株式会社KADOKAWA ★★★☆

〈独裁者ですが、なにか?〉荒木源

図書館で荒木源氏を検索したら、危険そうな匂いを放つそそるような小説があったので取り寄せました。
ペックランドの委員長のジョンウインが、ヤップランドから取り寄せたAIロボット。
それは異母兄のジョンナムールに生き写しだった。。。というもの。
書かれたのが2017年9月ということのようなので、それだけでも危険な感じ。
内容は、こういったのを出しとけばちょっと話題になるかな、といった感じが透けて見える内容で、はっきりいって意外なワザもないし、何の毒もないしで、あんまりおもしろくない(笑)
まだ父親のパロディの映画──なんだったっけと調べたら「細菌列島」だった──のほうが笑いの毒をはらんでいて、危険な面白さがあった。
しかし、この文庫の表紙。。。
こんなの店頭に出ていて大丈夫か(笑)

2017年9月発行 株式会社小学館 ★★☆

〈インド倶楽部の謎〉有栖川有栖

火村英生シリーズの長編。
神戸で起きた連続殺人事件は、前世で繋がりのある「インド倶楽部」のメンバーだった。
おりしも前世から自分が死ぬまでのことが記されているといわれるインドに伝わる「アガスティアの葉」の体験イベントを「インド倶楽部」のメンバー三人が体験していたのだ。
そのなかの二人がイベントで自分の死ぬ日を教えてもらっていて、死んだひとりがその日付に死んでいたのだった。。。
まず「アガスティアの葉」というアイテムが、なかなか妙な効果を出していて、調べてみたら紀元前3000年のインドの聖者アガスティアが記した預言を伝えた葉となっているので、インドって訳がわからない凄さがあるな、と(笑)
事件自体はこういう状況下でのトリック、みたいな感じで、人を殺すという動機は薄い。
あくまでもトリック自体に重点を置いているからだろうけれど。
神戸出身の作家、横溝正史氏の生誕の地碑(本当の生誕地は神戸にある川崎重工業の敷地らしい)やらなかなか興味深い。
エラリー・クイーンが書こうとしてやめた作品の題名がこの「インド倶楽部の謎」だったらしく、そこのところの作品とは関係ない蘊蓄がまた面白い。
有栖川有栖氏は、アガサ・クリスティーの「そして誰もいなくなった」が先に出てしまったために、それと全く同じようなものを書いていたエラリー・クイーンがトリックを使われてしまってやめた作品だと推理しているようです。
今となっては真相は闇の中だろうけど。。。

2018年9月発行 株式会社講談社 ★★★☆

〈人間じゃない〉綾辻行人

未収録作品集ですけれど、「人形館の殺人」の後日譚だったり、「バースディ・プレゼント」の姉妹編だったり「どんどん橋、落ちた」「深泥丘奇談」「フリークス」の番外編だったりと、元となった作品をすっかり忘れてしまったけれど(笑)、最近の綾辻さんらしくホラーテイストな味付けで楽しめます。
「赤いマント」
「崩壊の前日」
「洗礼」
「蒼白い女」
「人間じゃない─B〇四室の患者」
「赤いマント」と「蒼白い女」と「人間じゃない」が怖い。
とくに「赤いマント」は学校のトイレに行けなくなるくらい。。。
といっても、いまさら学校のトイレ、行かないですけれど。。。(笑)
小野不由美さんもそうだけれど、夫婦そろってホラーテイストな作品が怖すぎて、とてもではないけれど夜に読めない。。。

2017年2月発行 株式会社講談社 ★★★
プロフィール

藤中

Author:藤中
好きな作家は、
F・ポール・ウィルスン。
他にスティーヴン・キング、ブレイク・クラウチ、ジョージ・R・R・マーティン、伊坂幸太郎、近藤史恵、島田荘司などをよく読んでいます。
たまに映画関連、海外ドラマ関連、KinKi Kids関連の投稿があるので、
気をつけてください。

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