〈グイン・サーガ・ワールドⅠ〉栗本薫・他

著者が亡くなってから見つかった遺稿と、プロ作家による外伝などをメインに組まれたグイン・サーガ続篇プロジェクト。
当初、あまり食指が動かなかったからか、すっかり忘れてしまっていたけれど、そろそろ読んでみようかと思い立ちました。

【ドールの花嫁】栗本薫
王立学問所で寮生活を始めることになったナリスに忍び寄る影が。。。という未完の遺稿。
ナリス様の学園モノ(?)なのに、栗本薫本人が描くと、それだけでグイン・サーガの世界になるから不思議。。。

【星降る草原】久美沙織
アルゴス王の子供を産み、草原に里帰りをするリーオウに秘められた過去とは。。。
最初は取っ付きにくかったけれど、次第に読ませるのはさすがプロという感じ。
3篇中ではいちばん続きが気になるかも。

【リアード武侠傳奇・伝】牧野修
グインの伝説的な勇姿を芝居で演じる、セム人による一座「豹頭座」の面々は、ふとしたことから神々の武器の1つの「滅びの赤」を探す旅に出る。。。
子供の頃に役者熱が出ると、役者への道を歩むというのが面白い。
「パクリ」も何だかノスフィラスにいそうだし。。。(笑)

【宿命の宝冠】宵野ゆめ
沿海州レンティアの女王が極秘裏に逝去した報を受け取った第一王女アウロラは、ケイロニアから故郷、レンティアに帰り着くのだが。。。
最初こそ、かなり緻密に調べた感じのグインワールド語を駆使して読ませるんだけれど、途中から、書きなれていないのか、説明不足で雑な展開、というか軽いノリになってきた。
次以降、それが修正されるのか、というところ。。。

【日記】
死んだら燃やしてと書いてあるのに公開してしまって気の毒な感じ。
といって、言葉通り有名作家の日記を燃やすことは出来ないだろうけれど。。。

【いちばん不幸で、そしていちばん幸福な少女】
夫である今岡氏が見た栗本薫についてのエッセイ。
う~ん、なるほど。。。
「真夜中の天使」と「翼あるもの」の上巻を読んでいたので、それほど驚かないけれど、今西良って、著者自身だったのか、と納得。
どうも女々しくて苦手だったんですけれど。。。
森田透が主役の「翼あるもの」の下巻は傑作で読ませるんですが。

ハヤカワ文庫 2011年5月発行 ★★★☆

http://ecx.images-amazon.com/images/I/51KeAZ%2Bn1aL._SL75_.jpgグイン・サーガ・ワールド1 (ハヤカワ文庫JA)
読了日:09月24日 著者:栗本 薫,久美 沙織,牧野 修,宵野 ゆめ
スポンサーサイト



グイン・サーガ外伝22〈ピプノスの回廊〉栗本薫

著者がお亡くなりになって2年近くが過ぎたので、もうオリジナルの出版はないものと思っていたところ、外伝が出版されるとの報が。。。
とはいっても、だいたいはグイン・サーガハンドブックに載っていたものですけれど、アニメDVDの特典の〈前夜〉と、グインの出生の秘密がわかる〈ピプノスの回廊〉などは、まさにサプライズといったところでした。

【前夜】
グイン・サーガの物語が始まる、まさに前夜のパロのリンダたちの物語。
これから何かが起きる、不安と期待みたいなものが上手く表わされていて、とても体調が悪い中で書いたとは思えないほどの出来。
【悪魔大祭】
何者にも従わぬ吟遊詩人のアルマンド。やがてその存在はパロの闇の王ドルス・ドリアヌスの知るところとなるのだが。。。
パロの闇王朝といえば(パロスだったっけか)、〈カローンの蜘蛛〉とかのトワイライト・サーガ。たしかこの作品では遺跡となっていたような。。。結局、天野氏の、表紙の王子の後ろ姿に何があるのかは見られずじまいだった。でもここらでちょっと再読してみたくなったかも。
【クリスタル・パレス殺人事件──ナリスの事件簿】
ナリス様(笑)が解く事件もの。
ここで若かりしヴァレリウスが名前を覚えてもらったらしい(笑)
【アレナ通り十番地の精霊】
おなじみの〈煙とパイプ亭〉で、ひとつの命が生まれ、ひとつの命が消えようとしているときに、ダンの前に現われた精霊とは。。。?
代々、脇キャラ道を究めんとする、尊い一家の決心というところでしょうか(ちがうか?(笑))
【ピプノスの回廊】
見知らぬ場所で目覚めたグインが眼にしたものは。。。?
ランドック、アウラなどの、グインの過去の謎はこれでだいたい解けたと思うので、ちょっとすっきりした(笑)
ピプノスの術を施したとされるグラチー?に感謝かも(笑)
【氷惑星の戦士】
グイン・サーガが生まれるきっかけとなった作品。
プラチナブロンド、スミレ色の眼、黄色っぽく光る虎のような眼の戦士とかのアイテムがそれっぽいかも。

ということで、どうやら、5月からグイン・サーガ・ワールドが刊行されるようです。
著名作家たちによるグイン・サーガも楽しみですが、未完の「ドールの花嫁」も楽しみ。
なんだかんだとグインの世界は、誰かの手によって書き継いで行くのかもしれないですね。

ハヤカワ文庫 2011年2月発行 ★★★☆

http://ecx.images-amazon.com/images/I/51kz1ad01eL._SL75_.jpgヒプノスの回廊―グイン・サーガ外伝〈22〉 (ハヤカワ文庫JA)
読了日:02月20日 著者:栗本 薫



読書メーター

グイン・サーガ130〈見知らぬ明日〉栗本薫

ついに物語が途中で終わってしまった、グイン・サーガ。
(未完)の文字がやけに生々しいです。
しかもこんな薄いハヤカワ文庫は、私が知るかぎり、トーマス・M・ディッシュの〈いさましいちびのトースター〉以来ではないか、と。
この薄さを書店で手に取ったとき、ああ、なんか、本当にこれで、途中で終わってしまうのだな、といった感慨がこみ上げてきました。
レジのお兄さんもしんみり「カバーかけますか?」
「いえ、いりません」応える私も心なしか、しんみり。。。
最近になって、1巻から読みなおしているということもあり、気づいたのですが、私が持っている、グイン・サーガの第一巻は、昭和六十二年十月三十一日改訂版十六刷です。
なので、だいたい22年くらいのお付き合いということになりますね。
今年でグイン・サーガが生誕30周年だったということで、欲を言えば生誕40周年、50周年とやってもらいたかったです。
でも終わらない物語を書きたかった著者なので、これもひとつの完結でいいのではないかと、だんだん思ってきました。
ということで、とりあえず、これからの展開を勝手に妄想。。。(笑)
あれだけリンダを口説こうとしていたイシュトなので、あのまま大人しく引き返すとは思えず、リンダ拉致計画!を立て、見事成功する。
そしてそのままヤガへ突撃!
たとえ捜しに行くのが、自分の子供のスーティだろうが、その母親フロリーだろうが関係なく、リンダと共にわくわくした冒険にくりだしたいイシュト。
リンダもリンダで最初は抵抗するけれど、クリスタルでのくさくさする生活から解放されて、なんとなく喜びを見出す。
それを知ったヴァレリウスは仰天、すわ国の一大事ということで、マリウスにパロを任せて、ヤガへ。
ここらあたりでグラチーが、ちゃちを入れそう。。。(笑)
一方、グインのほうではヴァルーサの子供が産まれててんやわんや。
なんと、豹頭ではなく、普通の赤ん坊だった!
じつは隔世遺伝で、孫の代に豹頭の子が産まれるのであった!(笑)
ということで、たぶんそれからいろいろとあって(笑)、最終的には「豹頭王の花嫁」ということで、リンダがグインと、という展開でしょうね。
でないと、いままでのリンダの立ち位置がなくなってしまいますし。。。(笑)
あとはそれぞれが妄想して(笑)、物語を続けていく。
それしかないようです。
ばんざい、グイン・サーガ。
あっぱれ、栗本薫。
二度とこういった、波乱万丈な長大な物語をつぐむ人は出てこないでしょうね。


ハヤカワ文庫 2009年12月発行

グイン・サーガ129〈運命の子〉栗本薫

刻一刻と、物語が途中で終わってしまう時が近づきつつある、グイン・サーガです。
ここにきて、やはり書いている著者も自分の病状がわかってきていたのか、一気にたたみかけるように、外伝〈七人の魔導師〉へと辻褄を合せてきたといった感じ。
タイスのころのダラダラ感が嘘のような展開です。
今回、スカールとヨナ、フロリー・スーティらの、ヤガ脱出。
そして、あのブランと合流という、サプライズ。
私的に、ちょっとブラン、忘れていたかも。。。(笑)
しかし、ヨナとフロリーがさらわれてしまい、しかもスカールの仲間、パロの魔導師が全滅し、にっちもさっちもいかなくなった、スカールたち。
そこにでてくるオイシイ、グラチーといったところでしょうか。
しかしグラチー、ケイロニアでシルヴィアと遊んでいたのに、いつのまにヤガへという感じです(笑)
また何か悪だくみをしようとしていたみたいですが、イェライシャに阻まれましたね。
でも、これがグラチーのラストのお目見えかもしれないです。
ここに来てグラチーとユリウスが登場してくれたということで、私的にはちょっと嬉しかったかも(笑)

ということで、次巻で、ラストですか。
どこで終わってしまうのかわからないけれど、このヤガ編?の物語途上で終わることにはかわりない。
こんないいところで永遠に引かれてしまうとは。。。
恐怖の引きとはこのことかもしれないです(笑)
この分だと、グインとヴァルーサの子供は豹頭なのか否かも、わからずじまいになりそうです。
嗚呼。。。(涙)


ハヤカワ文庫 2009年10月発行 ★★★☆

グイン・サーガ128〈謎の聖都〉栗本薫

著者死去ということで、この巻からは、グイン名物?のあとがきと冒頭のエピグラムなしのようです。
いままで当然のようにあったものが、なくなってしまうと、やっぱり、淋しいですね。
今回、久々にグラチー登場いうことで、私としてはその所在が大いに気になっていたところだったので、喜ばしいことだと思います(笑)
でも、あいかわらず、また、なにか悪だくみを考えいるようですね。
この悪だくみは明かされないまま終わってしまいそうですが(たぶん)、それに巻き込まれてしまうシルヴィアはとことん運のない女かもしれません(笑)
一方、ヨナとスカールは、ヤガの全貌が徐々にわかってきたようです。
フロリーもなぜか危なげなく商売しているのをみつけ(笑)、ラブ・サン老人、マリエの消息もわかる。
ただ、ラブ・サン老人とマリエは新しいミロクの教えとやらに洗脳されているようで、しかもイオ・ハイオンには正体を知られて、ヨナ、危機一髪のところで、やはり頼りになるスカールです。
あのまま一気にヤガから脱出できるのか、というところで、次の巻ですね。
ところで置いて行かれた、フロリーのほうは大丈夫でしょうか?
でも、放っておいても、なんとかなってしまうフロリーなのかもしれません(笑)

ということで、表紙の女性は、シルヴィアにしてはちょっと普通だし(笑)、フロリーにしてはちょっと若いし、地味じゃないしで(笑)、これはマリエでしょうか?
ミロク教徒にしてはなかなかおしゃれでモダンな衣装で、従来のミロク教徒にはありえねー衣装ですが、これが新しいミロクの教えの範囲内なのかも。。。(笑)
つぎの巻は10月刊行ということで、実質のラスト巻です。
絶筆になってしまった130巻は、どういった形で発表されるのかわからないけれど、読者は中途で放り出されてしまうことは確実なので、ほんと、この先、どうしたらいいんだという感じです。
とりあえず、栗本薫氏に、なんとか根性で生まれ変わって書いてください。。。というしかないか。。。(笑)



ハヤカワ文庫 2009年8月発行
★★★☆
プロフィール

藤中

Author:藤中
好きな作家は、
F・ポール・ウィルスン。
他にスティーヴン・キング、ブレイク・クラウチ、ジョージ・R・R・マーティン、伊坂幸太郎、近藤史恵、島田荘司などをよく読んでいます。
たまに映画関連、海外ドラマ関連、KinKi Kids関連の投稿があるので、
気をつけてください。

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
カテゴリ
訪問者数
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR