〈チュベローズで待ってる AGE22・AGE32〉加藤シゲアキ

新聞広告を見たときにちょっと気になったもので図書館予約を取ってみました。
加藤シゲアキさんは「ピンクとグレー」で小説家デビューされて、ジャニーズ事務所で初めて小説を出版したとのことのようです。
基本ジャニーズはKinKi Kids以外はあまり知らないのだけれど(笑)、NEWSのメンバーということは知っている。
この間、この本の宣伝でブンブブーンにも出ていましたしね。
で、本書の上巻であるAGE22は、就職に失敗した主人公が、出会ったホストに導かれて、来年の就職を目指して生活のためにホストになって云々する話なのだけれど、ただ単にホストを目指す話ではないので、なかなか読んでいて新鮮な感じ。
色々と本を読んでいるのがにじみ出てくるような文章で、この人、案外、小説の引き出しが多いなと思わせるし、えらく真面目で几帳面な感じも文章から受けた。
ストーリーは終盤に意外性もきちんと入れてきて、AGE22に関してはこれ以上ない良い出来だと思う。
ただ下巻のAGE32は途中までは良い感じに推移していくのですが、終盤、おいおいっ、な展開になって、ついていけない感じに。。。
読者の予想を裏切る展開を意識していることは大したものだと思いますけれど、この展開は遥かに予想を超えていって、理解不能でへろへろになった。。。
でも予想通りな結末よりは意欲を買うけれど、ね。
ジャンル的には私の好みではないので、次は私の好きなジャンルを書いてくれたら、読むかな。。。(すまん)

2017年12月発行 株式会社扶桑社 ★★★☆
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〈ダブルトーン〉梶尾真治

謳い文句が、「ラブ・サスペンスの新境地」だったので、ちょっと引き気味でしたが(笑)、内容紹介が普通の話ではなさそうだったので、念のため、図書館予約を入れてみました。
最近、普通の話では満足できなくなってきているのか、変わり種に眼がいってしまう私がいます。。。

目覚める前に自分が別の女性の人生を歩んでいることに気づいた小野由巳。
どうやら、由巳は、田村裕美という女性と記憶を共有しているようなのだ。
2人のユミは互いに記憶を交互しながらも、意外な事実を知ることになるのだが。。。

最初はただ単に交互に記憶が入れ代わって、自由にできない主婦の不満を、独身の若い女性で発散的な話だと思っていたら、途中からなかなかの謎解きなサスペンスになって、先の読めない展開に。
いったい誰が犯人なのかと、中盤以降は一気読みモードになりました。
著者お得意の?タイムトラベル的なものも何気に入っていて、そこのところは見事な感じでした。
けれども、犯人がもしかしてと思ったのがビンゴだったので、もうちょっとバレない工夫というか、動機を何とかしてほしい気もしたけれど、犯人当てのミステリではないので、そこのところは、ま、いいか、と(笑)
東野圭吾なら、ここのところもきっちりとおさめてきたかもしれないけれど。。。(笑)
とはいえファンタジーなアイデアがとても面白いので、軽くさくさく読むにはうってつけ。
「ラブ・サスペンスの新境地」はちょっとあおりすぎだけれど。。。

平凡社 2012年5月発行 ★★★☆

http://ecx.images-amazon.com/images/I/51ySm-2-r1L._SL75_.jpgダブルトーン
読了日:07月28日 著者:梶尾 真治

読書メーター

〈しらない町〉鏑木蓮

著者は「思い出探偵」というのを読んでいるけれど、いまいちだったのか、それ以降の作品は読んでいなかったのだけれど、新聞の書評が良かったので、手にとってみました。

映画監督を夢見ながらも、現実にはアルバイトで精一杯な門川誠一。
その彼がバイトで管理しているアパートで帯屋老人が孤独死をした。
会社の指示で、遺品を整理していたときにみつけた8ミリフィルムに映っていたのは、行商の格好をしてリヤカーをひいている40代の女性だった。
帯屋老人の撮ったドキュメンタリーだと気づいた門川は、その鼓動までが聞こえてくるような映像に魅せられて、帯屋の生き様をドキュメンタリーに撮ろうと、過去を探ることになるが。。。

老人の孤独死から、その老人が生きた日々を探るという地味な話なんですけれど、のっけから惹きつけられました。
帯屋老人の遺したノートに書いてある謎の言葉と、8ミリフィルムに映っている場所探しに主人公が奔走するさまは、ワクワクさせられます。
ただ謎が謎を呼ぶ展開はいいんですが、いろいろと謎めきすぎたのか、着地点がちょっと定まらなかったような気もします。
特攻隊って、こういった人もいたんだ、と思ったけれど、べつに一介のアルバイトに隠す必要もない真実って感じで。。。(笑)
でも、謎めいた展開で、途中までは楽しめたので、これはこれで良しとしますが。。。(笑)
そういうことで、次の作品への期待をこめて、点数は高めに付けときました。

早川書房 2011年11月発行 ★★★★

http://ecx.images-amazon.com/images/I/41btmMfVUrL._SX230_.jpgしらない町
読了日:12月05日 著者:鏑木蓮




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〈七人の敵がいる〉加納朋子

この小説は、著者本人がPTA役員として過ごした怒涛の日々をネタに書いた本らしい。
そんなことが新聞に載っていたのを目に留めて、今までの分野の小説にない新しさを感じで図書館予約を取ってみました。

女性編集者としてバリバリと忙しく働く勝気な陽子は、小学校に入学して間もない息子の最初の保護者会になんとか時間をとって出席した。
なんとなく出席してしまった陽子だったが、PTA役員の採決のときに仕事で忙しいので無理だといい、よけいな一言を言い放ってしまった。
「そもそもPTA役員なんて、専業主婦の方でなければ無理なんじゃありませんか?」
その一言で、その場にいた保護者(専業主婦多し)を敵に回してしまった。
その日から陽子の戦いの日々が始まるのだった。。。

PTAだけでなく、その後、自治会、学童保育所、サッカーのスポーツ少年団の父母会と、確実に敵を作っていく陽子がなかなか痛快で面白い。
子供がいるといろいろと大変なことがあるんだなと、なにやら未知の分野を垣間見て、著者のあとがきにもあったように、ホラー並みの恐ろしさを感じてしまった。
でも陽子は敵ばかりでなくて、味方もちゃんといて、そこのところのバランスもいいので、一方的に苛められる話でもないのがいい。
著者は専業主婦も経験して、なおかつ会社勤めも経験しているので、専業主婦や働く女性視点の両方がわかっているので、この本もその点でバランスがいいのかも。
こういったボランティアで成り立っている役員の仕事だけれど、ある意味、有償化も仕方ないという案は賛成。
とりあえず、自治会あたりは将来回ってきそうなので、この本で知恵をつけておけばいいかな、と感じました(笑)

集英社 2010年6月発行 ★★★☆

http://ecx.images-amazon.com/images/I/51c6qAQZgoL._SL75_.jpg七人の敵がいる
読了日:11月08日 著者:加納朋子




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〈壱里島奇譚〉梶尾真治

このあいだの消失刑が面白かったので、新作を押さえました。
なんとも面白そうなタイトルという感じですが。。。

会社で何をやらせてもダメな社員である宮口翔一は、上司から早期退職の打診を受けて、ようやく退職を決意。
けれども退職願を出そうとする手前で、常務に呼ばれてある辞令を受ける。
「おもしろたわし」というアクリルたわしのようなシロモノ──磨いた机は新品のように光り、しかもどんなに使っても決して汚れることがない。
この不思議すぎる、たわしの秘密を探るべく、生産された現地──壱里島に行って、社の研究室でも解き明かせないその仕組みについて、解き明かすようにとのことのようだった。
そして、ついでにその島に住んでいる常務の年老いた母親の様子を見てきてほしいという。
翔一は言われたとおり、壱里島へとおもむくのだが、そこには魑魅魍魎とした、何かがいた。。。

不思議なたわし、「おもしろたわし」の謎を解くために壱里島に行くという、最初の出だしは、非常に面白かったのですが、途中、赤字財政を立て直すために、島に原発処理施設を誘致する町長に対して反対運動を起こすところから、ちょっといただけない方向へ。
結局、魑魅たちだけで、原発処理施設の誘致は中止になったようなので、べつに翔一を呼び寄せなくても良かったのではないかと思ってしまった。
ここのところを翔一たちが力を合わせて中止に追い込んだのなら、ラストの落としどころも、ぴたりと決まった感じになったのに、と。
そこのところが中途半端になってしまったから、全体的に不思議糸と現実問題が上手くかみ合っていなかったような気もした。
とりあえずは次回作に期待ということで。。。

祥伝社 2010年9月発行 ★★★

http://ecx.images-amazon.com/images/I/51haYi2ZrDL._SL75_.jpg壱里島奇譚
読了日:10月22日 著者:梶尾真治




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プロフィール

藤中

Author:藤中
好きな作家は
F・ポール・ウィルスン。
他にスティーヴン・キング、ブレイク・クラウチ、ジョージ・R・R・マーティン、伊坂幸太郎、近藤史恵、島田荘司をよく読んでいます。
たまに映画関連、海外ドラマ関連、KinKi Kids関連の投稿があるので、
気をつけてください。

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