〈図書館司書と不死の猫〉リン・トラス

題名みて、なんとなくファンタジーっぽいノリかなと思っていたら、ガチのダークなホラーだった、しかも容赦なしの。
妻を亡くした元図書館司書のアレックの元に、ある日、メールが送られてくるんだけれど、そのメールの内容が普通では信じられないようなことで、しかも自分は部外者だと思って安心していると、じわじわと巻き込まれていく展開が、なかなか自然な感じで良い。
どうかすると茶番になってしまう、その信じられない話を、多方面から丁寧に描くことによって、実在させていく著者の努力もさすがですね。
実際、こういった存在が近くに居て、関わらなくてはならなくなってしまったら、迷惑極まりないという感じですが。。。
ちょっとした闇の存在を恐怖につなげていくところ、昔の恐怖小説のような感じは、逆に新鮮な感じを受けました。
続篇があるみたいなので、その辺も期待です。
でも、もうロジャーは出ないでしょうね。

2019年5月発行 (株)東京創元社 ★★★☆
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〈ファイアマン上・下〉ジョー・ヒル

キングの次男の方の著書。
未知の病である「竜鱗病(ドラゴンスケール)」
この病気にかかるといずれは発火して燃え尽きて死に至ってしまう疾患が、猛威を振るう中、妊娠中で看護師として働くハーパーはこの病気に冒されてしまう。
ハーパーは、病気をうつされたと思った夫に殺されかけるが、消防士姿の「ファイアマンに救われ、感染者が暮らすキャンプに避難するのだが。。。
キャンプに避難するまでがなかなか面白い展開ですが、そこからがちょっと動きがなくて、やや退屈に感じた。
キャラクターにちょっとした良さがあるならそれも何とか乗り越えられるのだけれど、それがないので後半の劇的展開?も想定内といった感じで。。。
面白い展開なのに何かが足りないような。。。と、読んでいてそんな気分に陥ってしまった。
最近観たロシアのドラマ「デイ・アフターZ シーズン1」はキャラクターがいまいちだけれど(笑)、物語が次から次へと予想外の展開で面白かったのだけれど、これはキャラもいまいちで物語も予想外の冒険がなかったからかな。。。
いま放映している「ウォーキング・デッド シーズン9」の5話のような、だれもが驚く衝撃がほしいところ(ほんと、これはびっくりした)
手っ取り早く言うと、ジョー・ヒルってかなりきちんとした優等生なんだろうな。
なんかそんな感じが文章に表れている。。。

2018年8月発行 株式会社文小学館 ★★★☆

〈天才感染症上・下〉デイヴィッド・ウォルトン

タイトルがいまいちだったんだけれど、アマゾンの評価で図書館予約してみた本。
ニール・ジョーンズがNSA(国家安全保障局)の局員に志願したのは、アルツハイマーを患う父親が務めていたところでもあったが、彼自身も数学と暗号解読に絶対的な自信を持っていたからだった。
ニールは採用直後に南米から発信された暗号解読で成果を得て、NSA長官と共らブラジルへと向かう。
一方、兄で細菌学者のポールはアマゾンでの採取でテロリストの襲撃に遭い、命からがらブラジルを脱出。
が、そのときのジャングルで真菌感染症を引き起こしてしまう。
回復したポールは何か超人的な能力を身に着けていた。。。
いわゆる「細菌」スリラーみたいな感じで、それが国家をかけた話となると、少しだけ茶番めいたりするのだけれど、この小説は背景やキャラクターたちを細かく書き込んでいるので、なかなかしっかりした読み物になっている。
タイトルいまいちだけれど(笑)、文章が上手いのでそこのところが気にならないほど。
でもタイトル良かったらもっとこの小説の価値があがったのは確かかも。
タイトルいまいちなのが悔やまれる。
この小説を読んで何が言いたいかといえば、つまりタイトルいまいち(←しつこい)なわりには面白かったこと。。。

2018年8月発行 株式会社竹書房 ★★★☆

〈虚ろなる十月の夜に〉ロジャー・ゼラズニイ

著者は遠目に知っていたのだけれど(笑)、読んだことがなかったのでちょうどよい機会と思って読んでみた。
翻訳されて日本で発行されるのはじつに二十七年ぶりで、著者の死の二年前に刊行された最後の長編らしい。
ということでありがたくよんでみることにしたのだけれど、表紙が何気にラノベ風でびっくり。
こういう内容なのかと思いつつ、読んでみると、なるほど、なかなか読みやすい。
内容的には、「閉じる者(クローザー)」と「開く者(オープナー)」に分かれてゲームをするんだけれど、どちらが「閉じる者」か「開く者」かがわからない、いったい何をゲームしているのかも分からないという、謎な展開(笑)
なんとなく読者が置いてきぼりを食う感じがして、なんか面白いゲームが始まっているみたいだけれど、いまいち内容つかめないや、でも読んでいて面白いからいいか、みたいな。。。(なんのこっちゃ)
語り手は切り裂きジャックを主人に持つ、使い魔である番犬のスナッフなんだけれど、そのスナッフがいろいろとゲームをしている人間の使い魔である動物をどっちの者か探ったりして、その展開上で殺人があったりと、そういうのは面白いんだけど、ラストに至っては、結局、何のゲームをしていたんだ、みたいな気になる。
なんか面白いゲームをやっていたんだろうなと思えばいいのかもしれないけれど。。。

2017年11月発行 株式会社竹書房 ★★★

〈クウォトアンの生贄上・下〉グレッグ・ベック

B級ホラーまるだしなタイトルだな(褒めている)
表紙も何気にくるねえ。。。(笑)
著者はこの作品でデビューを飾り、「覚醒兵士アレックス・ハンターシリーズ」として6作出しているらしい。
オーストラリア在住の作家さんというのもちょっと珍しいかも。。。
あらすじは南極の地下調査に行った部隊が行方不明となって、それを捜索しに行った部隊も何ものかに襲われるといったパターンで、いわゆるこの手の王道なんだけれど、背景がかなりしっかりとしているから、そこそこ楽しめる出来となっている。
出てくる異生物もただ奇妙な怪物ではなく、色々と特徴があってそこも考えたものになっているし。。。
それに敵もまみれてという展開だけれど、異生物に比べてこの敵の存在が案外、薄いような気がするのは、仕方がないのかもしれない。
終わりの終わりかたもこの手の王道で、そこら辺はまあ、お約束だから。。。みたいな感じ。
次、このシリーズが出たらどうするかと聞かれたら、たぶん暇だったら読んでもいいと答えると思う。
そんな出来の小説です(笑)

2017年3月発行 竹書房 ★★★☆
プロフィール

藤中

Author:藤中
好きな作家は、
F・ポール・ウィルスン。
他にスティーヴン・キング、ブレイク・クラウチ、ジョージ・R・R・マーティン、伊坂幸太郎、近藤史恵、島田荘司などをよく読んでいます。
たまに映画関連、海外ドラマ関連、KinKi Kids関連の投稿があるので、
気をつけてください。

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