〈メインテーマは殺人〉アンソニー・ホロヴィッツ

一昨年に「カササギ殺人事件」で賞を総なめにした著者の新作。
こちらの本も「このミス」や「週刊文春」などで海外部門の1位を総なめにしたらしいのだけれど(2年連続は快挙らしい)、私はその前から図書館待ちしていてやっといま来た。
1位を獲ってから並んだらもっと遅かったかもしれないと思うととりあえず並んで正解だったかも(笑)
資産家の老婦人が自らの葬儀を手配した当日に死去する。
元刑事のホーソーンに、自分がこの事件を担当し解決するのを本に書かないかと持ち掛けられ、作家ホロヴィッツはホーソーンに同行することになるのだが。。。
うん、これは見事なまでに完璧な本格推理で、なんの文句もないくらいに上手い出来かもしれない。
読み手の予想をすべて否定して、あとは何も思いつかないところまで隠し通して明かす真相。
それでいて、ところどころにきちんとそういったことを読み取れる記述が配されていて、読者へのフェアプレイも怠らない。
これは完璧以外の何ものでもない。
著者自身がワトスン役を引き受けるところからも、この作品への本気度というかそういったものが滲み出ている。
前作「カササギ殺人事件」は、う~んと思ったけれど、これはお見事といった感じ。
そういえば島田荘司氏に捧げる?遊びみたいなものもありましたね。
ホロヴィッツ氏は島田荘司氏を読んでいるらしいから(週刊文春2019年度海外ミステリー10の著者の受賞の言葉で)、たぶん、あれは意識しているでしょう。。。

2019年9月発行 株式会社東京創元社 ★★★★


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〈わが母なるロージー〉ピエール・ルメートル

この作品は中篇といったおもむきだから、カミーユ・ヴェルーヴェン警部シリーズ3部作+「おまけ」といった感じかもしれない。
パリで爆破事件が発生したが、犯人はすぐにも出頭。
が、爆弾はあと6つ仕掛けられていて、犯人の要求をのまなければ爆発するようにセットされていた。
警察は何とかしてあと6つの爆弾の在処を吐かせようとするが、犯人は沈黙を通す。
カミーユ警部は犯人を観察し、何かを見落としているような感覚にとらわれて、懸命に調べ上げようとするのだが。。。
中篇なので、全体的にこじんまりといった感じの展開ですけれど、なかなか読ませます。
途中まで、思わせぶりなカミーユ警部という感じで(笑)、どういった展開になるのかぜんぜん読めなかったのがよかったかもしれない。
真相はもう一回どんでん返るかと思ったけれど(ジェフリー・ディーヴァーの読み過ぎか(笑))、中篇なので、ま、こんな感じか、と。
あとはこのシリーズ、これで終わりで書かないらしい。。。

2019年9月発行 株式会社文藝春秋 ★★★☆

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〈ブラックバード〉マイケル・フィーゲル

バーガーショップでマヨネーズ抜きのハンバーガーを頼んだところ、エディソンが頼んだのと違うマヨネーズ入りのハンバーガーが出された。
別のと交換してくれといったが、店員は受け付けてくれない。
殺し屋のエディソンは卵アレルギーなのだ。
エディソンは店員を含めて銃を乱射する。
とっさに同じ店員から、裸足だったことを理由にアイスクリームを売ってもらえなかった痩せっぽっちの8歳の少女クリスチャンをその場から連れ去る。
なんで少女を連れてきたのかを一生悩む中年の殺し屋と、逃げられる隙はあったのに逃げなかった少女の10年間の殺し屋としての軌跡の話。
2人の間には裏切ったり裏切られたりと信頼関係があやふやだけれど、なぜか最後には一緒にいるという不思議な関係があって、そこのところの曖昧さがこの小説の魅力かもしれない。
殺し屋エディソンが途中、死にそうになるエピソードがあるんですが、それが卵というのが面白い。
中年殺し屋と少女というと「レオン」な感じだけれど、この作品は「真夜中の相棒」に近いものを感じた。

2019年8月発行 株式会社ハーパーコリンズ・ジャパン ★★★

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〈カッティング・エッジ〉ジェフリー・ディーヴァー

ダイヤモンド店で惨殺された店主とカップルの2人。
ダイヤモンドは根こそぎ盗られていないことに、ただの強盗ではないことをうかがわせた。
警察は、犯行後に犯人と鉢合わせをして逃げた人物を、犯人が捜していることに気づき、その人物の特定を急ぐのだが。。。
リンカーン・ライムシリーズも14作目となると、やはりちょっと切れというか新鮮味がなくなってきたような感じも受ける。
相変わらずのどんでん返しはあって、それなりの面白さはあるのだけれど。。。
いつもは事件の新しいことが判ってくると、しつこいぐらいにボードに書いてくるのだけれど、今回はこれがない。
読んでいるときはちょっと目障り(笑)だったけれど、なくなると事件そのものが大雑把な印象を受けるから不思議。
繰り返し繰り返しボードに書いてあるのを載せるのも、あれはあれでよかったのかもしれない。
そしてあの方がまた出てきて、最後にメールを寄越したけれど、いったいいつになったら対決が見られるのかわからない感じ?(笑)
なんかその前に新シリーズが始まっちゃいそうですね。
あっと、前作でライムとサックスの結婚式が近づいている感じだったのですが、この作品ではすでに結婚していた設定になっていた!
結婚する前にもう少し波乱が起きると思っていた私の勘は見事に外れたかも。。。(笑)

2019年10月発行 株式会社文藝春秋 ★★★

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〈沈黙の少女〉ゾラン・ドヴェンカー

雪が降り積もるベルリンで13歳の少女ルチアとその弟が誘拐された。
ルチアは2週間後にさまよっているところを無事保護されたが、弟の行方などやその他については一切口を開こうとせず、6年間のあいだ沈黙を守った。
一方、教師のミカはパブで4人の男たちと接触する。
それはある計画の始まりだった。
これ読んでいるときに、最初は児童ポルノの話だと思っていたら、途中、何やら崇高な伝説的なものにすり替わってしまって、あれれ?と思ったのだけれど、ここの違和感がラストの伏線だったということに気づき、なるほど、こういう話だったのかと。
でも崇高的な行動、伝説的な存在だって、悪に違いなく、なんかどんよりな展開だけれど(笑)
とりあえずはラストの少女の仕掛けは唯一、胸のすく展開だったかも。
でも結局、最後まで何もわかっていなかったというか、ただ単に踊らされていた主人公って珍しいかもしれない。

2019年7月発行 株式会社扶桑社 ★★★

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プロフィール

藤中

Author:藤中
好きな作家は、
F・ポール・ウィルスン。
他にスティーヴン・キング、ブレイク・クラウチ、ジョージ・R・R・マーティン、伊坂幸太郎、近藤史恵、島田荘司などをよく読んでいます。
たまに映画関連、海外ドラマ関連、KinKi Kids関連の投稿があるので、
気をつけてください。

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