〈さよならドビュッシー〉中山七里

このミス大賞を獲ったときから、音楽もののタイトルが妙に気になっていたんですが、なかなか読むチャンスに巡り合えなかったしろものです。
読んでから、読書メーターの感想をざっと読んでいたら、どうも1月末に映画が公開のようですね。
かなり絶好の読み時だったかも。。。(笑)

いとこのルシアと祖父と共に火事に巻き込まれた遥は、重傷を負いながらもただ1人だけ生き残った。
祖父の財産の大半を相続して。
思うように動かない体だったが、遥はピアニストを目指すという夢のために、岬というピアニストに教えてもらうことになる。
けれどもそんな遥に何者かの魔手が忍び寄る。。。

ラストに何かあると知っていたためか、なんとなくこんな感じかもと、2つほど可能性を考えていたところ、途中半分ページが進んだところで何を間違ったのか、ラストのページが開いてしまい、一瞬にして犯人がばればれに。。。(笑)
それが考えていた2つのうちの1つの可能性だったので、ああ、やっぱり状態になってしまいました。
いや~一生の不覚です(汗)
でも謎解きだけではなく、音楽コンクールを目指すドラマとして、なかなか楽しめるものだったので、これはこれで良しとしないと。
あの人を探偵にして続篇ができそうですが、どうも違うあの人が探偵で一暴れみたいです。
その探偵は、この作品を読んでからは、どうも微妙な立ち位置の気もするけれども。。。

宝島社 2010年1月発行 ★★★☆
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〈消失グラデーション〉長沢樹

第31回横溝正史ミステリ大賞、大賞受賞作。
書評にラストの仕掛けに驚愕、との文字を目に留めてしまい、ラストの驚愕の仕掛けに弱い私は(笑)さっそく図書館予約を取ってしまいました。

高校の屋上から転落した少女、網川緑が忽然と姿を消した。
捜査する警察を尻目に、独自に調査を始める椎名康と樋口真由は真相にたどり着けるのか。。。

最初から仕掛けがあると思って読んでいたからか、もしかして椎名康って、*なんじゃないかと思っていたら、そうでした(笑)
なので、あんまり仕掛けがあるあると宣伝するのもどうかな、と思ったけれど、これがないと途中の学園ものに飽きがきてしまうというのがあるから、仕掛けを宣伝するのもアリなのかな、と。
あっ、でも、樋口真由については、想定外だったし、ページが進むごとにというか、事件が起きてからの展開はかなり面白くて、新人さんにしては、最後まで読ませる力量があってよかったかも。
世界が反転するラストは、よく考えると、げっげっげっの世界だけれど(笑)、こういったことを考える着想はかなり面白い。
でも、これって映像化は無理だろうな。。。

角川書店 2011年09月発行 ★★★☆

http://ecx.images-amazon.com/images/I/41%2BdWdErluL._SL75_.jpg消失グラデーション
読了日:11月24日 著者:長沢 樹

読書メーター

〈クロノスの飛翔〉中村弦

〈ロスト・トレイン〉が去年の私のベスト1位に輝いたもので、新作が出たなら、読まなくてはならない作家へとなっていたんですが、早くも出たようです。
6月刊と言うことでか、何気に東日本大震災を絡めてきたのには、絶妙なタイミングといった感じでした。

明和新聞社の社屋建て直しのために、倉庫の整理のアルバイトをしている溝口俊太は、あるとき、屋上で一羽の鳩に出会う。
その鳩の足には通信管がつけられてあり、メッセージが入っていた。
が、そのメッセージは50年前のSOSだった。。。
一方、昭和30年、坪井永史は明和新聞社に入社、伝書鳩として屋上に飼っていた鳩に、戦争で飼育していたクロノスの面影を見出す。
安保を機に、やがて永史は、ある陰謀に巻き込まれていく。。。

明和新聞社に出入りする、サングラスをかけた謎の老人、なぜ現代まで社屋を建て替えなかったか、など、時間ものを思わせるアイテムの謎がなかなか読ませます。
ただ、現代と過去を行き来するクロノスがどうも絵空事のようで、ここのところしっかりとした理由付けがほしかったかも。
全体的には、いい作品だと思うのだけれど、なにか乗れないものがあって、それは何かと考えてみると、やはりリアリティかもしれない。
50年前にあった政治的な影の秘密結社だとか、たしかに当時はそういったのもあったかもしれないけれど、ありきたりな設定に、逆にどうも茶番な感じがして。。。
時間もののアイデアはいいのだから、あとは読ませ方を工夫をすれば、もっとよくなったのにと思う。
そこのところがちょっと残念のような気もした。

祥伝社 2011年6月発行 ★★★☆

http://ecx.images-amazon.com/images/I/41fkEd2MonL._SL75_.jpgクロノスの飛翔
読了日:07月16日 著者:中村弦

読書メーター

〈アルバトロスは羽ばたかない〉七河迦南

書評の驚愕のラストに惹かれて図書館予約を取りました。
著者は「七つの海を照らす星」で鮎川哲也賞を受賞した新人で、この作品が2作目だということのようです。

児童養護施設、七海学園の保育士、北沢春菜はここに勤めてから3年になる。
その七海学園の文化祭の最中に、校舎屋上から転落事件が起きた。
事件は事故か?
それとも殺人なのか。。。?

驚愕のラストは、なるほど、そういったことでしたかといった感じでした。
学園で起きるさまざまなエピソードのひとつひとつはなかなか面白いんですが、ちょっとごっちゃ煮感があって、混乱してしまった。
前作を読んでいないので、登場人物を把握できなかったことに、要因があるのかも。。。
途中、「わたし」の視点に違和感があって、何度も読み直してしまったりしてしまったけれど、ここのところが驚愕の原因だったとは!
ラスト、えっ? だって。。。とか思って、最初に戻って読み直したら、あっ、本当だ!!(笑)
でも正直、読むのがしんどかったかも。。。
ということで、私の評価もかなり抑え気味になりました。

東京創元社 2010年7月発行 ★★★

http://ecx.images-amazon.com/images/I/51-zeoEvZpL._SL75_.jpgアルバトロスは羽ばたかない
読了日:12月20日 著者:七河迦南



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〈向日葵は見ていた〉西本秋

短篇で、第24回小説推理新人賞を受賞して、満を持しての長篇デビューなんだそうです。
新人作家のデビュー作ということで、とりあえず食らいつきました(笑)

歴史博物館に勤務する加納里名は急遽、担当することになった特別展のテーマを探すために図書館へ。
そこで「クリエクティブは見ていた」というタイトルの写真集を手にし、田舎の素朴な風景を撮った中に、一枚の写真を見つける。
それはかつて里名が暮らした「ひまわり荘」だった。
けれどもその思い出は断片的で、「ひまわり荘」がどこにあるのかも思い出せない。
やがて里名の元に、物件広告が入った封筒が届く。
そこには「ひまわり荘」の間取り図に、販売価格が100億円と書いてあり、しかも拒絶されたときには法的措置をとると書かれてあった。
わけがわからない里名だったが、「ひまわり荘」を調べるうちに、その建物の忌まわしい噂を聞く。
そこに住んでいた人たちは、一夜にして消えたというのだ。。。

里名が子供の頃に住んでいた「ひまわり荘」を探すというお話なんですが、いろいろと謎めいた展開をするので、ついのめりこんでしまった。
この先へ先へと読ませる技術は、新人さんにしては上手いと思う。
しかも謎めかせて引きまくる(笑)物語展開のうまさといったら。。。!
いろいろな話がごっちゃ煮状態で、無理もあることはあるけれど、それをちゃんと消化する手腕はお見事というしかない。
人物描写も巧みなので、読む者を腑に落ちさせてしまうのも、案外、強みなのかも。
しかも最後に来て、えっ!という展開は、ちょっと予想外でした。
どんより?(笑)なラストもなかなかツボにはまりましたし。
ただラストの1行は、いらなかったような気がします。
そのほうが、どんより感がより増したような気がして(笑)、私としてはよかったのですが。。。
この著者の書く雰囲気はとても好きなので、次の作品が出たらまた読んでみたいです。
点数は期待をこめて。。。

双葉社 2010年7月発行 ★★★★

http://ecx.images-amazon.com/images/I/51Z6FH%2BLKoL._SL75_.jpg向日葵は見ていた
読了日:12月06日 著者:西本秋




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プロフィール

藤中

Author:藤中
好きな作家は
F・ポール・ウィルスン。
他にスティーヴン・キング、ブレイク・クラウチ、ジョージ・R・R・マーティン、伊坂幸太郎、近藤史恵、島田荘司をよく読んでいます。
たまに映画関連、海外ドラマ関連、KinKi Kids関連の投稿があるので、
気をつけてください。

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